ホーム > 魏晉南北朝における貴族制の形成と三教・文学

魏晉南北朝における貴族制の形成と三教・文学

歴史学・思想史・文学の連携による

魏晉南北朝における貴族制の形成と三教・文学

諸分野の最新研究成果を通して、分裂の時代―魏晋南北朝時代の実態を解明する

著者 渡邉 義浩
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 魏晋隋唐
出版年月日 2011/09/01
ISBN 9784762929694
判型・ページ数 B5・336ページ
定価 本体12,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

主 旨(池田知久・卜憲群)
全体会
一 魏晉南北朝の貴族制と地域社会 …………………………………………………………… 中村圭爾
二 北魏における儒学の伝播 …………………………………………… 李   憑(三津間弘彦 訳)
三 葛洪の「文論」およびその「二陸」の評価に対する諸問題
    ――『抱朴子』の欠名諸篇を例証として―― ……………………… 凍 国 棟(池田雅典 訳)
四 六朝貴族と九品官人法 ………………………………………………… 陳 長 ?(高橋康浩 訳)


分科会Ⅰ(哲学・文学)
一 東晉・南朝における「佛教」・「道教」の称呼の成立と貴族社会 ……………………… 小林正美
二 魏晉の子学の流伝に関する二、三の問題 …………………………… 楼   勁(島田 悠 訳)
三 北魏の堯帝崇拝について ……………………………………………… 巖 輝 中(会田大輔 訳)
四 葛洪の道論と魏晉士人の精神生活 …………………………………… 王 啓 発(廣瀬直記 訳)
五 六朝買地券研究二題 …………………………………………………… 劉 安 志(林 佳恵 訳)
六 六朝名山の生活世界
――『東陽金華山栖志』を手掛かりとして―― …………………… 魏   斌(冨田絵美 訳)
分科会Ⅱ(歴史学)
一 北朝の国家支配と華夷思想 ………………………………………………………………… 川本芳昭
二 三十年来の中国古代史研究の新傾向 ………………………………… 卜 憲 群(大知聖子 訳)
三 曹操墓より出土した文物と歴史文献との関係 ……………………… 梁 満 倉(谷口建速 訳)
四 東晉・十六国・南北朝の人口移動とその影響 ……………………… 胡 阿 祥(島田 悠 訳)
五 北魏皇室制名漢化考 …………………………………………………… 羅   新(塩野啓貴 訳)
六 華夷の間:十六国・北朝時期における祖先の附会現象についての考察
…………………………………………………………………………………… 張 軍(兼平充明 訳)
総括コメント(興膳 宏)
紙上参加
一 貴族制の萌芽と建安文壇 …………………………………………………………………… 柳川順子
二 西晉期における四言詩の盛行とその要因
――武帝期を中心に―― …………………………………………………………………… 矢田博士
三 『文選』序文にみる六朝末の文学観 ……………………………………………………… 牧角悦子
四 魏晉南北朝期における「品」的秩序の展開 ……………………………………………… 渡邉義浩
あとがき

このページのトップへ

内容説明

本書は、東方学会と中国社会科学院歴史研究所の交流協定に基づき開催された第二回日中学者中国古代史論壇の成果、ならびに渡邉義浩を代表とする科学研究費基盤研究()「漢魏文化の国際的研究」の研究成果の一部である。なお、日中学者中国古代史論壇の総括コメントにおいて、不足が指摘された文学関係の報告を補うために、柳川・矢田・牧角・渡邉の四論文を紙上参加として掲載する。

 

【本書より】(抜粋)

 秦漢帝国と隋唐帝国という統一帝国に挟まれた約三七〇年に及ぶ魏晉南北朝時代は、分裂の時代である。

分裂の主因は、貴族制と非漢民族の侵入に求められることが多い。したがって、魏晉南北朝時代を対象として歴史学と思想史研究・文学研究とが連携の上で解明を目指すべき主要なテーマは、分裂と統一を表現する「封建―郡県」の事実とそれに関する論議をめぐる問題、貴族制の展開およびそれと思想・文学とがどのように関係したのかといった問題、非漢民族の侵入とそれに伴う「華夷思想」の展開という問題、の三つに絞られると考えられる。

魏晉南北朝時代は、その文化の側面に注目すると、儒教の価値を相対化させる道教が興隆し、仏教が本格的に普及するとともに、曹魏の建安文学から始まって文学の文化の中に占める比重が大きくなっていく時代である。この時代に、儒教・仏教・道教の三教は相互に影響を与えあいながら自らの教説を展開させ、その作用は文学にも及んだ。本フォーラムのねらいの一つは、今日の時点に立って、貴族制研究の新しい視座を求めることにある。その際、どのような社会階層が三教や文学の主な担い手であったのか、三教や文学は貴族にとってどのような意味を持ちどのような役割を果たしたのか、といった諸問題の解明が課題となるであろうが、この課題に、歴史学・思想史研究・文学研究の学際的な、あるいは多分野交流的連携研究を通じて、そして日本の研究者と中国の研究者との国際的な研究協力を通じて、アプローチしていきたい。

非漢民族の侵入と「華夷思想」については、仏教を保護した王朝が主として北朝系の非漢民族であったことについての原因・理由の究明、仏教の台頭や非漢民族の侵入に対して儒教サイドが新たな「華夷思想」を展開させたことについての分析等々、歴史学と思想・宗教研究との連携研究を持ってはじめて解明されうる課題も少なくない。(第二回日中学者中国古代史論壇の開催にあたって 池田知久)

このページのトップへ