ホーム > 『老子』河注・王注全訳解

『老子』河注・王注全訳解

『老子』河注・王注全訳解

◎漢簡本を底本に河上公注・王弼注を併読、解釈の諸相を探る――著者畢生の大業

著者 谷中 信一
ジャンル 中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 先秦漢
出版年月日 2022/12/15
ISBN 9784762967214
判型・ページ数 A5・898ページ
定価 22,000円(本体20,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次


凡例
第一章~八十一章
あとがき
索 引

このページのトップへ

内容説明

【序より】
 本書は三つの部分から構成される。第一は『老子』本文の訳解(訓読・語釈・通釈)、第二は河上公注(以下、河注と略称)の訳解(訓読・語釈・通釈)、第三は注(以下、王注と略称)の訳解(訓読・語釈・通釈)である。第一『老子』本文の訳解では、北京大学蔵漢簡本『老子』(漢簡本と略称)を底本として、楚簡本・帛書本などの出土本、及び現行河注本・同王注本と対校して、定本を作成し、その上で訳解を施した。便宜上現行本に倣って章名を施しているが、漢簡本に章名は無く、章頭に「・」が附されているだけである。また、漢簡本は全七十七章に分けられているのであるが、これも便宜上現行本によって八十一章に分章し直した。また、漢簡本の構成は、帛書本同様に徳経が前に道経が後に置かれているが、これも便宜上現行本の章序に従った。
 河注の訳解では、宋建安虞氏刊本『老子道徳経 河上公注』(四部叢刊所収、『老子集成』初篇所収、現行河注本と略称)を底本とし、これにわが国の古抄本『老子経 上・下』(応安六年九月廿六日書写奥書 旧梅沢記念館蔵、現国立文化財機構所蔵 国宝 梅沢本と略称)と古活字版『老子道徳経』(漢河上公章句 慶長刊 慶應義塾大学斯道文庫所蔵 山城喜憲翻印、古活字本と略称)を用いて校合し、さらに鄭成海著『老子河上公斠理』(台湾中華書局1971、鄭斠と略称)を参照して定本を作成し、その上で訳解を施した。
 王注の訳解では、宇佐見灊水先生考訂『王注老子道徳経』(東都書林 明和七年甲寅五月刊 松雲堂書店復刊 1973、現行王注本と略称)を底本とし、これに波多野太郎著『老子王注校正』(横浜市立大学紀要 1952・1953・1954、波校と略称)及び樓宇烈著「老子道徳経注」(『王弼集校釋』上冊所収 中華書局1980、樓校と略称)の所説を参照して定本を作成し、その上で訳解を施した。

本書の構成
1、『老子』各章ごとの本文・訓読文・通釈・語釈を記し、次ぎに【河上公注】としてその本文・通釈・   語釈を記し、次ぎに【王弼注】としてその本文・通釈・語釈を記し、最後に【解説】として主に思想史学の観点から若干の解説を施した。
2、『老子』本文、河注本文及び王注本文の訓読はすべて現代仮名遣いに拠った。
3、本文及び訓読文は旧字体に拠ったが、その他は常用字体に拠った。
4、河注本文中「」とあるのは、梅沢本及び古活字本によって底本にはない「也」字を加えたものである。本来注記するべきであるが、その数が多いためにこのような処置を取った。

このページのトップへ