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『老子』經典化過程の研究

『老子』經典化過程の研究

傳世文獻研究の蓄積と、出土資料から得られた新知見を活用し、「經典」として確立される過程を解明する

著者 谷中 信一
ジャンル 中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 先秦漢
出版年月日 2015/12/07
ISBN 9784762965586
判型・ページ数 A5・330ページ
定価 本体9,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

【主要目次】

口絵 巻頭カラー4頁 

       郭店楚墓竹簡 『老子』

       馬王堆漢墓帛書『老子』甲乙本

    北京大學藏西漢竹書 『老子』

   序

第一章 郭店楚簡『老子』考         

第二章 郭店楚簡『太一生水』 考

第三章 上博楚簡(七)『凡物流形』考    

第四章 上博楚簡(三)『恆先』考

第五章 『莊子』天下篇考          

第六章 いわゆる黄帝言考   

第七章 『淮南子』道應訓所引『老子』考   

第八章 『史記』老子傳に隱された眞實

第九章 北大漢簡『老子』の學術價値―「執一」概念を中心に

終 章 

注・あとがき・索引(人名 書名 事項・國名) 

【序】より(抜粋)

近年相繼いで發見された新出土資料を活用することにより、從來にない視點と觀點を得て、『老子』經典化の過程に迫ることが初めて可能になったのである。言うまでもないことであるが、近年の中國における竹簡帛書など出土資料の相繼ぐ發見が、中國古代思想史研究の再構築を迫るほどの衝撃をわれわれ研究者に與えたことは記憶に新しい。但しここで一言しておかなければならないことがある。それは確かに新出土資料の發見が從來の通説のいくつかを覆したことは事實であるが、 しかしだからといってこれまでの傳世本による研究によって得られた數多くの知見がことごとく覆されたわけではなく、むしろそれが實證されたこともあった。それ故に、新たに發見された出土資料は、これまでの通説に修正を求めることも少なくないが、概して言えば傳世文獻と相互補完的に扱われるべきものであると言わねばならない。中國古代思想史研究において、今や出土資料を無視して研究することは不可能であるのと同樣に、これまでの精密な本文批判を經た傳世文獻による研究史を全く無視して出土資料のみによる研究も十分な成果を擧げることはできない。

 本書は、そうした觀點に立って、『老子』經典化の過程を、これまでの傳世本『老子』による他なかった先學達の研究成果も十分に取り入れつつ、新出土資料を積極活用することで、先學達の前に立ちはだかった壁を乘り越えようと試みたものである。傳世文獻としては、『莊子』・『列子』・『韓非子』・『管子』など先秦諸子の文獻の他、『呂氏春秋』『淮南子』など先秦・漢代にかけての思想史研究に不可缺の文獻を主として用いたほか、新出土資料としては、郭店楚墓竹簡『老子』・馬王堆漢墓帛書『老子』・北京大學藏西漢竹書『老子』の他、道家系の文獻と考えられる郭店楚簡『太一生水』や、『上海博物館藏戰國楚竹書』所收『恆先』・『凡物流形』などを有機的に組み合わせながら分析と考察を進めていった。「『老子』經典化過程」という觀點こそは、これら新出土資料がなければ見通し得なかった新しい觀點である。

 

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