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平安時代の佛書に基づく漢文訓讀史の研究  第七冊

變遷の原理

平安時代の佛書に基づく漢文訓讀史の研究 

◎日本の訓點の起源、平安初期・中期・後期の訓讀語體系を明らかにし、その変遷の原理に及ぶ大著なる

著者 小林 芳規
ジャンル 国語学(言語学)
国語学(言語学) > 総記・論集
出版年月日 2017/04/26
ISBN 9784762935978
判型・ページ数 A5・1224ページ
定価 33,000円(本体30,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

第一章 序 説
第二章 同漢字異訓の同漢字同訓化
  第一節 同漢字異訓が同漢字同訓に變遷する現象
  第二節 願望を表す連文「唯願」
  第三節 完了を表す補助動詞「已」
第四節 接尾詞「等」
  第五節 後置添詞「者」(人を表す用法)
第六節 介詞「於」
第七節 竝列の連詞「并」
 第八節 因果の連詞「故」
 第九節 否定「勿」
 第十節 否定「不」の連體形の訓法
 第十一節 陳述副詞「曾」
 第十二節 接續副詞「乃」
 第十三節 同漢字異訓から同漢字同訓への變遷の纏め
 附節 「妄」と「妄」
第三章 不讀字の定訓化
  第一節 不讀字の定訓化する現象 
第二節 動詞の受動態「爲」
  第三節 前置添詞「所」
  第四節 竝列の連詞「及」――接續詞の「オヨビ」の成立――
  第五節 竝列の連詞「若」――接續詞「モシハ」の成立――
  第六節 接續の連詞「以」
  第七節 條件の連詞「則」
  第八節 語気詞「耳」「而已」
  第九節 語気詞「之」
  第十節 情態副詞「亦」
  第十一節 接續副詞「即」
  第十二節 接續副詞「便」
第十三節 接続副詞「則」
  第十四節 不讀字の定訓化の纏め
 第四章 和訓の音讀語化
 第一節 漢文訓讀語變遷における和訓の音讀語化の現象
第二節 動詞と補助動詞で構成される詞
第三節 前置添詞「所」と動詞とで構成される詞
第四節 竝列の連詞「乃至」
第五節 「未曾有」の訓法
  第六節 和訓の音讀語化の纏め
 第五章 副詞の呼應語の統一と消滅
  第一節 副詞の呼應語の種類とその變遷
  第二節 添加の連詞「況」[第一種]
  第三節 疑問の副詞「豈」[第一種]
  第四節 再讀表現について
  第五節 陳述副詞「當」の訓法[第二種]
  第六節 「應」の再讀表現
  第七節 陳述副詞「將」の訓法[第二種]
  第八節 陳述副詞「須」の訓法[第二種]
  第九節 陳述副詞「宜」の訓法[第二種]
  第十節 否定「未」の再讀表現[第二種]
  第十一節 使役「令」の再讀表現
  第十二節 陳述副詞「必」の呼應[第三種]
  第十三節 陳述副詞「已」「既」の呼應[第三種]
  第十四節 限定の副詞「唯」「但」の呼應[第三種]
  第十五節 副詞の呼應語の統一と消滅の纏め
第六章 讀添語の消滅
 第一節 變遷により消滅する讀添語の語種
 第二節 助詞「イ」の沿革
 第三節 助詞「シ」の衰退
 第四節 助動詞「ユル」「ナリ(傳聞)」の語構成要素としての殘存
 第五節 接續助詞「ナガラ」「ツツ」、副助詞「バカリ」
  第六節 接續助詞「モノヲ」
第七節 係助詞「コソ」「ゾ」〔係助詞「コソ」/係助詞「ゾ」〕
第八節 副助詞「スラ」「ダニ(ダニモ・ダモ)」「サヘ」
第九節 終助詞「モノゾ」「モノカ」  
第十節 助動詞「ケリ」
  第十一節 推量の助動詞「ラム」「ケム」「マシ」
第十二節 形式語「ソヱニ」、「ヲ~ミ」
  第十三節 接續助詞「カラニ」、終助詞「テシカ」「ヌガ」
  第十四節 使役態における使役される詞の讀添語の變遷―「令~ニ」「令~ヲ」から「令~ヲシテ」へ―
  第十五節 「コト得」から「コトヲ得」への變遷
  第十六節 讀添語の消滅の纏め
 第七章 五つの原則に共通する原理
  第一節 五つの原則の纏め
第二節 五つの原則に共通する原理
本冊の内容の基となった既發表論文等

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内容説明

【序説より】(抜粋)

訓點資料の用語は、他の言語資料、例えば平安時代の和文の用語と對置させ、平安時代語の共時態と

して比較考察して或る相違の相の存することが明らかにされた。その訓點資料の用語そのものも、相違

という點より眺めるならば、時代差や資料の性格の違いによる異なりが認められる。

本書は時の推移に伴い訓點資料の用語が如何に變移するかを考察の視點として、訓點資料同士を比較

することにより、平安時代の資料を時代別に、そして平安後期以降は特に宗派の差に配慮して見て來た。

その結果、それぞれに變異のあることが分かった。これを史的變遷と把えるならば、その變遷の敍述の仕

方には二つの方法があると考えられる。一つの方法は、個々の事象が時の推移に従って變遷する様相を

解明することであり、もう一つの方法は、訓點資料の用語である訓讀語の體系に據って時代別、資料別

に記述してこれを時の流れの上で比較してその相違を變遷として把えることである。この第二の方法は、

本書において第三冊の初期訓讀語體系、第四冊の中期訓讀語體系、第五冊の後期訓讀語體系、そして第

六冊第一篇の訓讀の傳承を通して、漢文訓讀語が期を畫して變遷する姿として論述して來た所である。

この冊では、見方を變えて、第一の方法である個々の事象が時の推移に從って如何に變遷するか、その

具體的な様相を解明しようとする。

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