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大東急記念文庫善本叢刊中古中世篇 別2 伊呂波字類抄(三)

目次

第五冊 巻五(祢(ネ)奈(ナ)良(ラ)无(ム)宇(ウ)為(ヰ)能(ノ))   
第六冊 巻六(於(オ)久(ク)也(ヤ)末(マ))

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内容説明

『伊呂波字類抄』  室町中期写  全十巻十冊 橘忠兼 編 解題:月本雅幸

十巻本『伊呂波字類抄』の完本としては現存最古。中院本の原本と推定される。

『伊呂波字類抄』は、平安時代末期の国語辞書。漢文訓読語も合わせ和語・漢語を採録する。その分類・ 配列は細かく、意義分類にしたがい天象・地儀・植物・動物・人倫・人体・人事・飲食・雑物・光彩・方角・員数・辞字・重点・畳字・諸社・諸寺・国郡・官職・姓氏・名字の二十一部に序列。更に、天象では景宿・風雨・歳時、地儀では山石・水土・田野・居処、人倫では親戚・人倫・鬼神、雑物では装束・器皿・燈火・調度などに分類されている。これらは全て平安時代において日常的に作成された漢詩文・記録・文書を作る際の必要な知識であり、その特徴としては漢語が多く集められ、漢籍である『遊仙窟』・『文選』・『白氏文集』から採録された形跡が窺える。平安時代の歴史・文学・思想をはじめ、日中の文化交流を研究する上でも貴重な資料である。

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