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重畳たるタクティックス

: 日中戦争期の話劇をめぐって

重畳たるタクティックス

◎戦時下話劇の複雑な諸相を「重なり合う戦術」という観点から記述する試み

著者 楊 韜
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 近現代
出版年月日 2022/01/20
ISBN 9784762966989
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 8,800円(本体8,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次


序章 日中戦争期の話劇史研究という課題
 第一節 日中戦争期における話劇文芸の概説   
 第二節 先行研究の検討
 第三節 本書の視座と全体構成 
    
第一章 戦時下話劇界の重層的生態図
 第一節 戯劇春秋長夜行:近代話劇人の生態縮図 
 第二節 八千里路雲和月:戦時下移動演劇隊の実態と表象
 第三節 双面人生共舞台:映画人鄭君里の話劇活動

第二章 中央青年劇社という存在
 第一節 中央青年劇社の全体像         
 第二節 中央青年劇社の組織構造とネットワーク
 第三節 中央青年劇社の創作と上演       
 【付録資料】『青年戯劇通訊』各号目次

第三章 重ね合う歴史と話劇
 第一節 借古喩今:戦時下の歴史話劇というジャンル
 第二節 田漢の場合:『春帆楼上的対話』と『朝鮮風雲』を中心に
 第三節 楊村彬の場合:『秦良玉』と『光緒親政記』を中心に

補論 特殊な代弁者
 第一節 日中戦争下中国における反戦日本人の概説
 第二節 反戦日本人による抗戦話劇運動の実態
 第三節 丁玲の『河内一郎』と関係させて考えること

終章 まとめと展望

関連略年表
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後書き
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内容説明

【序章より】(抜粋)

 筆者は本書において、以下のことを目標とする。さきの「日中戦争期における話劇文芸の概説」から分かるように、この時期の文化現象は非常に流動的なものである。この動態的な枠組みにおいては、様々な衝突や矛盾が異なる範囲・異なる水準、しかも場合によっては同時進行の形で常に生じていたわけである。このような決して一定の形を保つ「固体」ではない現象を検討するさいに、できるだけその膨大かつ複雑な諸相を「脈絡」によって立体的に見ることが重要だと考える。ゆえに、筆者はここで「重畳たる戦術」という「脈絡」を導入し、日中戦争期の話劇をめぐる現象を可視化することを試みたい。



Overlapping Tactics: Spoken Drama Art in Wartime China (1931-1945)

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