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河西魏晋・〈五胡〉墓出土図像資料(塼画・壁画)目録

河西魏晋・〈五胡〉墓出土図像資料(塼画・壁画)目録

◎塼画(せんが)・壁画史料を歴史研究に活かす研究者待望の目録が出来ました!

著者 関尾 史郎
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
出版年月日 2019/11/13
ISBN 9784762912283
判型・ページ数 A4・200ページ
定価 5,500円(本体5,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

はしがき
凡 例
附 用語について
文献一覧と略号
目 次


解 説 篇

1.武威市(涼州区)
2.金昌市(金川区)
3.張掖市(甘州区)
4.臨沢県
5.民楽県
6.高台県
7.粛南裕固族自治県
8.嘉峪関市
9.酒泉市(粛州区)
10.玉門市
11.瓜州県
12.敦煌市
附 河西地域,市県別塼画墓・壁画墓
 

目 録 篇

1.武威磨嘴子墓群,1989年発掘墓
2.武威磨嘴子墓群,2003年発掘三号墓
3.金昌市博物館所蔵塼画
4.民楽八卦営墓群,1993年発掘一号墓
5.民楽八卦営墓群,1993年発掘二号墓
6.民楽八卦営墓群,1993年発掘三号墓
7.高台駱駝城南墓群,1994年発掘墓 
  高台駱駝城南墓群,1994年発掘墓出土塼画分類
8.高台駱駝城土墩墓群,2001年発掘二号墓
9.高台駱駝城苦水口墓群,2001年発掘一号墓(01GLM1)
10.高台駱駝城苦水口墓群,2001年発掘二号墓(01GLM2)
11.高台許三湾東墓群,1999年6月発掘墓
12.高台許三湾東墓群,2002年9月発掘墓
13.高台許三湾五道梁墓群,1999年4月発掘墓
14.高台許三湾五道梁墓群,1999年10月発掘墓
15.高台南華墓群,2003年発掘一号墓(03GNM1)
16.高台地■坡墓群,2007年発掘一号墓
17.高台地■坡墓群,2007年発掘三号墓
18.高台地■坡墓群,2007年発掘四号墓
19.高台県域出土,出土墓未詳塼画
20.嘉峪関新城墓群,1972年発掘一号墓(72JXM1)
21.嘉峪関新城墓群,1972年発掘二号墓(72JXM2)
22.嘉峪関新城墓群,1972年発掘三号墓(72JXM3)
23.嘉峪関新城墓群,1972年発掘四号墓(72JXM4)
24.嘉峪関新城墓群,1972年発掘五号墓(72JXM5)
25.嘉峪関新城墓群,1972年発掘六号墓(72JXM6)
26.嘉峪関新城墓群,1972年発掘七号墓(72JXM7)
27.嘉峪関新城墓群,1972年発掘八号墓(72JXM8)
28.嘉峪関新城墓群,1977年発掘十号墓(77HKM10)
29.嘉峪関新城墓群,1979年発掘十二号墓(79JXM12)
30.嘉峪関新城墓群,1979年発掘十三号墓(79JXM13)
31.嘉峪関新城墓群,2002年発掘毛庄子魏晋墓
32.嘉峪関野麻湾墓群,1993年発掘二号墓
33.嘉峪関峪泉鎮牌坊梁墓群,1972年発掘一号墓
34.嘉峪関峪泉鎮,2004年発掘魏晋墓
35.『嘉峪関文物図録』可移動文物巻所収,嘉峪関市域出土,出土墓未詳塼画
36.酒泉果園西溝墓群,1992年発掘四号墓(92JXM4)
37.酒泉果園西溝墓群,1993年発掘二号墓(93JXM2)
38.酒泉果園西溝墓群,1993年発掘五号墓(93JXM5)
39.酒泉果園西溝墓群,1993年発掘六号墓(93JXM6)
40.酒泉果園西溝墓群,1993年発掘七号墓(93JXM7)
41.酒泉果園丁家閘墓群,1977年発掘五号墓
42.酒泉果園丁家閘村,2001年発掘小土山墓
43.酒泉果園高閘溝村,1993年発掘墓
44.酒泉総寨鎮崔家南湾墓群,1973年発掘一号墓
45.酒泉上壩鎮石廟子(灘)墓群,1974年発掘墓
46.酒泉下河清郷下河清(農場)墓群,1956年発掘一号墓
47.酒泉下河清郷五壩河墓群,1971年発掘墓
48.酒泉下河清郷四壩河墓群,1999年発掘墓
49.酒泉屯升郷石疙瘩孔墓群,2001年発掘墓
50.『酒泉文物精萃』・『酒泉宝鑒』・『粛州文物図録』可移動文物巻所収,
                  酒泉市(粛州区)域出土,出土墓未詳塼画
51.玉門金鶏梁墓群,2009年発掘墓
52.玉門市博物館所蔵塼画
53.瓜州踏実墓群,1997年発掘二号墓
54.敦煌新店台墓群,1982年発掘三号墓
55.敦煌新店台墓群,1987年発掘一三三号墓(87DFM133)
56.敦煌新店台墓群,1995年発掘三七号墓(95DFM37)
57.敦煌新店台墓群,1995年発掘三九号墓(95DFM39)
58.敦煌新店台墓群,1995年発掘九一号墓(95DFM91)
59.敦煌新店台墓群,1995年発掘一一八号墓(95DFM118)
60.敦煌新店台墓群,1995年発掘一六七号墓(95DFM167)
61.敦煌新店台墓群,2000年8月発掘墓
62.敦煌仏爺廟墓群,1944年発掘一〇〇一号墓(44FYM1001)
63.敦煌仏爺廟墓群,1991年発掘一号墓(91DFM1)
64.敦煌仏爺廟墓群,1999年5月発掘墓
65.敦煌仏爺廟墓群,2001年5月発掘墓
66.敦煌祁家湾墓群出土塼画

あとがき

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内容説明

【はしがき より】

甘粛省敦煌市の東郊に位置する仏爺廟(湾)の古墓(44FYM1001)から塼画が見つかったのは,第二次世界大戦中の1944年のことであった.発掘調査を担当したのは向達が率いた西北科学考察団歴史考古組で,その一員だった夏鼐や閻文儒らによる報告が残されている(夏「敦煌考古漫記」(一)/閻「河西考古簡報」(上)).当該墓の墓主は伴出した鎮墓瓶の銘文から翟宗盈と判明したが,年代についても銘文の書蹟や内容などから魏晋・六朝時代と推定された(現在では,3世紀末以前の西晋時代とされている).
  これが河西地域の古墓からの塼画の初出例である.それから四分の三世紀を経た現在までに,この地域では百座前後の古墓から塼画や壁画が出土し(関尾「甘粛出土,魏晋時代画像磚および画像磚墓の基礎的整理」/「画像磚の出土墓をめぐって」),その研究も中国では活況を呈するようになった.また俄軍他主編『甘粛出土魏晋唐墓壁画』全3冊のような,塼画・壁画の写真を収録した大型図録本も刊行された.しかし塼画については,それぞれが墓中のどこに配されていたのか,という問題になると,わからないことも少なくない.それどころか,出土墓に関する情報がほとんど提供されていないもの(すなわち出土墓不明塼画)さえ一点や二点にとどまらないのである.塼に描かれた,または刻された画像を美術作品として鑑賞するのであれば,それでもかまわないのかもしれないが,歴史研究に資料として利活用する場合には,これは大きな障壁になってしまう.国内では,塼画・壁画やそれが出土した古墓(群)の研究が停滞している一因もここにあるのではないだろうか.
 このような現状を少しでも打開したいという思いもあり,本書では,市県ごとに塼画・壁画が出土し た河西地域の古墓(群)について解説篇で概述した上で,目録篇では墓ごとに出土した塼画や壁画を一覧できるようにした*.この地域で墓に塼画・壁画が用いられるようになったのは後漢時代までさかのぼり,以後,このような墓の築造は唐代に至るまで断続的に続けられ,技法にも変化が見られるが,本書が対象としたのは,魏晋・〈五胡十六国〉(以下,表題も含め〈五胡〉)時代に築造された墓とそこから出土した塼画・壁画に限定されている(一部に後漢時代までさかのぼる可能性があるものを含む).
 これはひとえに編者の関心の所在と力量に由来しており,それ以外ではない.
*このうち,嘉峪関の新城,同・牌坊梁,酒泉の高閘溝,同・西溝の各古墓群出土の塼画については,すでに「河西魏晋墓出土磚画一覧」と題して,『西北出土文献研究』第10号,2012年と,同第11号,2013年に一覧を分けて公表した.本書への収録にあたり,データを大幅に補ったので,以後は本書を定本としたい.

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