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「関帝文献」の研究  新刊

目次

序 論
   一、関帝信仰史
〔南北朝隋唐――関帝信仰の揺籃期・宋元――関帝信仰の発展期・明清――関帝信仰の爛熟期〕
   二、「関帝文献」とその研究史
     〔「関帝文献」の定義・「関帝文献」一覧・「関帝文献」研究史〕
   三、本書の構成と主要資料
第一章 「本伝」篇と「翰墨」篇について
第一節 「本伝」篇の内容と傾向
   一、序文等に見える編纂者たちのスタンス
   二、「本伝」篇の内容
     〔出身地と涿郡にいたる原因・車冑を斬る・秉燭達旦・『聖蹟図誌』にのみ見える史実と異なるエ
ピソード・エピソードの挿入位置〕
第二節 「本伝」篇に見える特殊な事例
   一、関帝の手紙
     〔『漢前将軍関公祠志』の「本伝」篇に見える関帝の手紙・『関帝志』の「本伝」篇に見える関帝の
手紙〕
   二、「関帝文献」の「本伝」篇における「単刀会」
第三節 「翰墨」篇に見える関羽/関帝の手紙について
   一、『関帝全書』が収録する関羽/関帝の手紙
     〔「与張桓侯書(張桓侯に与ふる書)」・「官渡与操書(官渡に操に与ふる書)」・「与張遼書(張遼に
与ふる書)」・拝漢寿亭侯復操書(漢寿亭侯を拝して操に復する書)」・「帰先帝謝曹操書(先帝に
帰し曹操に謝する書)」・「又致操書(又操に致す書)」・「与陸遜書(陸遜に与ふる書)」・「慰先帝
書(先帝を慰むる書)」・「諭軍中人書(軍中の人に諭す書)」〕
   二、関羽/関帝の手紙が作られた理由
   三、関羽/関帝の手紙の収録状況と「関帝文献」の類型
第二章 関帝の容貌について
第一節 関帝の肖像について
一、「関帝文献」に見える関帝の肖像  二、人相術から見る関帝の肖像〔目・眉〕
第二節 関帝のほくろについて
一、ほくろのある関帝の肖像     二、「破相」説について
三、人相術から見る関帝のほくろ   四、関帝の肖像にほくろがある理由――北斗七星との関係
第三節 関帝のひげについて
   一、詩における関帝のひげの現れ方   二、関帝のひげは「虬萼」か
第三章 「関帝聖蹟図」について
第一節 「関帝聖蹟図」と「孔子聖蹟図」
   一、『関聖帝君聖蹟図誌全集』と「関帝聖蹟図」
   二、「孔子聖蹟図」の系譜と変遷     三、「関帝聖蹟図」はどの「孔子聖蹟図」を模倣したのか
   四、「関帝聖蹟図」と呉嘉謨本「孔子聖蹟図」の内容の比較
   五、王朱旦「漢前将軍壮繆侯関聖帝君祖墓碑記」と「孔子聖蹟図」
第二節 「関帝聖蹟図」の構成要素について
   一、「孔子聖蹟図」を模倣した要素
   二、王朱旦「漢前将軍壮繆侯関聖帝君祖墓碑記」に由来する要素
   三、『三国志演義』に由来する要素    四、史書に由来する要素
第三節 「関帝聖蹟図」と『三国志演義』
   一、『三国志演義』における関羽
   二、「関帝聖蹟図」が『三国志演義』から採用したこと
     〔黄巾討伐・曹操への降伏から劉備との再会に至るまで・樊城攻めから死に至るまで・その他〕
   三、「関帝聖蹟図」が『三国志演義』から採用しなかったこと
     〔史書の利用・関平を関帝の養子としない・軍師の指示による作戦への参加はほぼ省略・劉封との
      確執・死後の顕聖・その他〕
第四章 「関帝文献」編纂・出版の目的について
第一節 「関帝文献」の構成から見る編纂の目的
   一、「関帝文献」の核となる要素     二、「関帝文献」の構成の変遷と各文献の特色
第二節 「関帝文献」出版に携わった人々から見る出版の目的
   一、侯邦典という人物          二、『関帝事蹟徴信編』光緒八年序重刊本の出資者
   三、出資者の地域的傾向    四、出資者の業種
結 論
参考文献目録/あとがき/中文提要

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内容説明

【はじめにより】(抜粋)

三国蜀の武将である関羽に対する崇拝は、遅くとも唐代に始まり、明清にいたって隆盛を極める。また、北宋以降、関羽に対する爵位の追贈も続いた。北宋の徽宗が「忠恵公」に追贈したのをはじめ、明の万暦年間には帝位に登り、清代になっても加封は続けられた。さらに、神となった関羽を祀る関帝廟も各地に建立されていった。
関帝信仰の高まりと共に、元代以降、関羽/関帝の伝記や伝説、関羽/関帝に関する評論や詩詞などを収録した文献が数多く出版された。これらの文献を「関帝文献」と総称することにする。「関帝文献」の内容は多岐に渉り、文献によって、また時代によってそれぞれ異なっている。
本書は、「関帝文献」とはいったい如何なるものであるのかを解明することを目的とする。具体的には、多種の「関帝文献」は総体として如何なる特徴や性格を持つのか、各文献にはそれぞれどのような特色があるのか、「関帝文献」は如何なる目的で出版されたのか、「関帝文献」は関帝信仰の中でどのように位置づけられるのか、などである。
これらを解明するにあたって、本書では、それぞれの文献を構成する内容(篇)のうち、文献間に共通する内容に注目して比較分析・検討を行なうという手法を採る。文献間に共通する内容について分析・検討することは、総体としての「関帝文献」の特質を解明するのに有効であるだけでなく、かえって個々の文献の特色や傾向を浮き彫りにしたり、それぞれの文献の位置づけについて明らかにしたりすることにもつながるからである。

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