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汲古叢書107 六朝政治社会史研究 107

汲古叢書107 六朝政治社会史研究

◎六朝官僚制の本質は何か―六朝における社会と国家体制・官僚制との関係を考察する

著者 中村圭爾
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
シリーズ 汲古叢書
出版年月日 2013/02/05
ISBN 9784762960062
判型・ページ数 A5・620ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 六朝史研究の視點
第一節 六朝史の歴史的性格    第二節 六朝官僚制と社會的身分秩序
第一編 六朝官僚制の原質と構造
第一章 六朝における官僚制の敍述
第一節 官僚制敍述の歴史と系譜  第二節 官僚制敍述の内容   第三節 官僚制敍述の意味
第二章 六朝貴族制と官僚制
第一節 任官の正と負       第二節 官位と職務      第三節 皇帝と官人
第三章 都市と官僚制
第一節 「翼翼」たる京邑とその實態 第二節 都市の住民     第三節 官人の都市生活
第四章 初期九品官制における人事
第一節 人事進退の枠組      第二節 人事進退の基準    第三節 人事と考課
第五章 南朝における議
第一節 政治過程と「議」     第二節 「博議」と「詳議」  第三節 「參議」
第四節 若干の補足
第六章 陳の「用官式」とその歴史的意義
第一節 陳朝の「用官式」     第二節 尚書の詳議と奏・黄案 第三節 詔の下達と門下
第七章 東晉南朝の門下
第一節 門下の基本的職務規定   第二節 門下の具體的行政機能 第三節 侍中就任者について
第二編 六朝における政治的構造と社會的秩序
第八章 晉南朝における律令と身分制
第一節 禮律と淸議        第二節 除  名       
第九章 晉南朝律令と諸身分構成
第一節 律令の身分序列      第二節 「士庶」と「吏民」  


第一〇章 貴族制社會における血縁關係と地縁關係
第一節 同族的結合の變貌     第二節 地縁的關係の顯現
第三節 血縁的結合と地縁的結合の相互作用
第一一章 魏晉時代における「望」
第一節 「望」の諸相       第二節 「望」の本質的機能  第三節 「望」の對象と主體
第一二章 「風聞」の世界――六朝における世論と體制――
第一節 「風聞奏事」とその研究史 第二節 奏彈制度と「風聞」  第三節 「風聞」の本質
第四節 「風聞」の機能
第一三章 南朝國家論
第一節 南朝成立の前提      第二節 江南社會の變貌と特質 第三節 南朝國家の歴史的性格
第三編 補  論
第一四章 魏蜀正閏論の一側面
第一節 『漢晉春秋』の意圖    第二節 「尊晉」の論理    第三節 史實と直書
第四節 蜀正統論の眞意
第一五章 「都邑」の敍述
第一節 「都邑」への注目     第二節 「都邑」と地理的世界 第三節 地理と都邑の敍述
第四編 研 究 史
第一六章 六朝貴族制論
第一節 貴族の意味        第二節 貴族制の概念     第三節 貴族制論爭の前提
第四節 論爭の發端――川勝義雄の「淸流」「郷論」「門生故吏」
第五節 論爭の展開――「家父長制的隸屬關係」と「寄生官僚論」
第六節 宮崎市定『九品官人法の研究――科擧前史』の觸發     第七節 補  論
第一七章 日本における魏晉南北朝史研究
第一節 戰前の研究史上の達成   第二節 戰後の研究の起點   第三節 高潮期の一九六〇年代
第四節 研究の轉換點       第五節 諸研究の結實と集成
第一八章 日本における魏晉南北朝都市研究
第一節 魏晉南北朝の都市全體とその性格に關する研究
第二節 個別都市の研究
第三節 都市の諸要素に關する研究
あとがき
索  引

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内容説明

本書は、六朝時代の政治體制と社會構造、とくに官僚制と社會的秩序をおもな主題とする二五年間の研究成果である。既發表の論文を原型のまま再録したものが大半であるが、一部中國語で公表したものの日本語原文と、あらたに書きおこしたものをふくんでいる。それらを四編に編んだものである。本書書名に直接關わる論文は、主題ごとに二編にわけ、第一編は六朝官僚制について、一面ではそれが疑似近代官僚制的なみかけと機能をもつこと、しかし一面では、機能的部分とは對極の、ある種の秩序の表象、あるいは特異な價値觀を附された地位の表現のような意味を強く有することを論じた論文をあつめている。第二編は、官人もふくめ社會のなかに出現する多樣なあり方と表現をもつ存在について、王朝の政治的體制におけるその位置と制度的身分序列を中心に、かれらを一定の状態に秩序化する原理や秩序の實態を考察した論文、あるいはその社會を成立させている構造原理を分析した論文をあつめた。さらにこの二編に屬しがたいが、本書書名の研究分野に關連するもの二篇を補論として一編にまとめ、また六朝に關する研究史三篇を一編とした。

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