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汲古叢書92 中国古代貨幣経済史研究

汲古叢書92 中国古代貨幣経済史研究

“交換史観”という新たな観点から、諸分野の成果をも取り入れ貨幣経済史を考察する

著者 柿沼 陽平
ジャンル 総記・書誌 > シリーズ
東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
シリーズ 汲古叢書
出版年月日 2011/01/27
ISBN 9784762925917
判型・ページ数 A5・510ページ
定価 本体13,000円+税
在庫 品切れ・重版未定
 

内容説明

序章】より

 人と人が何かを交わすという意味での広義の交換(communicationは、太古よりつづく人類の営為のひ とつである。人びとは言葉を取り交わし、こころをくみ交わすのであり、それによって社会というものが形成される。それゆえ、ある時代・地域の歴史を解明しようとするばあいには、そこに存在する個別具体的な交換のあり方を検討せねばならない(以下、交換史観)。中でも物財(人間社会の規範・価値体系内で有用と認められているモノ)の交換は、そのようなコミュニケーションのあり方を端的にしめすもので、歴史研究の有力な手がかりとなりうるものである。しかもそれは、現代社会でも行われている営為であるがゆえに、その内実を検討すれば、各時代・各地域特有の交換の特性と、それに基づく社会のあり方を理解し、それらを相互に比較できると考えられる。では、中国古代における物財の交換とはどのようなもので、一体いかなる歴史的背景に支えられていたのか。……貨幣を中心とする経済(以下、貨幣経済)は、中国古代において具体的にいつどのように展開し、当時の社会にいかなる影響を与えたのか。また当時の人びとは、それにどのように対処したのか。本稿の最大の目的は、これらの一連の問いに具体的に答えることである。そしてそれを通じて、中国古代経済史の時代的変化とその特質を鳥瞰することである。

 

【内容目次】

序 章 中国古代貨幣経済史研究の意義と分析の視角

中国古代貨幣経済盛衰論

中国古代貨幣経済盛衰論批判

商人―豪族論的転回

経済人類学的多元的貨幣論の展開

経済人類学的多元的貨幣論の理論的背景

方法としての貨幣

本稿の構成

第一章 殷周宝貝文化とその「記憶」

――中国古代貨幣経済史の始源に関する「記憶」の形成――  

殷周宝貝の収集経路――殷周王権と淮夷の関係――

殷周宝貝の流布形態――「 」字考――

殷周宝貝の社会的機能

       ――宝貝の呪術的価値と宝貝贈与形式金文――

殷周宝貝文化の拡散――宝貝贈与形式金文と冊命形式金文――

殷周宝貝文化の「記憶」

第二章 文字よりみた中国古代における貨幣経済の展開

売買の成立

先秦時代の贈与交換

戦国秦漢時代における貨幣経済の展開

 

第三章 戦国秦漢時代における物価制度と貨幣経済の基本的構造

戦国秦漢時代の物価制度

銭・布・黄金の価値関係

〔銭と布の価値関係・平準書にみえる「一黄金一斤」の解釈・

 如淳注の論拠と居延漢簡の内容・「黄金一斤=一万銭」説

 および金本位制説の批判〕

銭の価値と銭文の関係

第四章 戦国秦漢時代における「半両」銭の国家的管理

戦国秦の「半両」銭

「通銭」の禁止と“銭の統一”

銭律の再編

第五章 戦国秦漢時代における盗鋳銭と盗鋳組織

「二年律令」銭律よりみた盗鋳銭者 

〔盗鋳銭既遂罪・盗鋳銭未遂罪〕

盗鋳銭の材料とその管理

〔鋳銭具の売買・燃料・漢初の鉱山経営〕

盗鋳組織の実態

第六章 戦国秦漢時代における銭と黄金の機能的差異

購の社会的機能

「二年律令」にみえる「購金」と「購銭」

漢代軍功褒賞制と「購銭」の関係

漢代における銭と黄金の関係

第七章 戦国秦漢時代における布帛の流通と生産

貨幣としての布帛

〔戦国秦の布帛・前漢の布帛〕

布帛独自の社会的機能

布帛の生産――「男耕女織」観の再検討――

第八章 戦国秦漢時代における塩鉄政策と国家的専制支配の機制

      ――男耕女織政策・塩鉄専売制・均輸平準による

        三位一体的支配体制の確立――

専売制以前の塩鉄業

〔民営塩鉄業・官営塩鉄業〕

諸侯王国の塩鉄業

前漢武帝期の塩鉄専売制

〔塩鉄専売制の成立・「牢盆」の解釈をめぐって・塩鉄官の人員〕

塩鉄専売制と均輸平準の関係

終 章 中国古代貨幣経済の特質とその時代的変化

 

参考文献/あとがき/中文摘要/索引(研究者名・語彙・史料)

付表1 殷周宝貝出土地一覧

付表2 宝貝賜与形式金文一覧

付表3 秦・前漢・新における銭と黄金の授受

付表4 秦・前漢・新における布帛の授受

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