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魏晉期における人物評価と正統論  これから出る本

魏晉期における人物評価と正統論

◎当時の知識人の諸相を通じて、人物評価の展開および正統論の内容を解明する!

著者 髙橋 康浩
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
出版年月日 2026/06/23
ISBN 9784762967849
判型・ページ数 A5・324ページ
定価 9,900円(本体9,000円+税)
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

序章 漢魏交替期と儒敎
一、後漢の衰退と曹操の擡頭
二、貴族制を支える人物評価
三、政権を支える正統性
四、政治宣伝の手段
第一篇 人物評価の展開
第一章 孔融の人物評価
一、知識人たちとの交流
二、「汝潁優劣論」に見える評価基準
三、人材推挙の上書
第二章 煢煢たる呉質
一、單家
二、貴戚の間に游遨す
三、士名を與へず
第三章 范陽の盧氏について
一、実践の人
二、海内の大儒
三、純儒としての盧毓
四、人事の管掌と司馬氏
第四章 劉劭『人物志』における「偏材」と「兼材」
一、德の位置づけ
二、偏材と唯才
三、名声主義への批判
第五章 曹魏における「才性四本論」の展開
一、唯才の否定
二、傅嘏と鍾會の人物評価
三、傅玄の「同」
四、嵆康・呂安の議論
第六章 傅玄『傅子』の治國・人事思想
一、「德威相濟」と「公」の重視
二、法刑の調和
三、才と人事
第二篇 正統性と鼓吹曲
第一章 繆襲の政治的位置
一、父と儒敎
二、仲長統と「統昌言表」
三、帝室派と司馬懿派
第二章 繆襲「魏鼓吹曲」について
一、滅亡する漢と擡頭する曹操
二、袁氏の滅亡と「九州」の征服
三、漢魏革命と太平の到来
第三章 傅玄「晉鼓吹曲」と西晉正統論
一、金德と司馬懿の武勲
二、魏晉革命と讖緯
三、讖緯から經典へ
四、「未完」の曲
第四章 傅玄「便宜五事」考
一、典農官として
二、水利と人事
三、異民族政策と傅燮
終章 儒敎の規制力
一、人物評価の政治性
二、正統論における儒敎
三、傅玄の総括
文献表
あとがき

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内容説明

【序章「漢魏交替期と儒敎」より】
 後漢の滅亡から隋の天下統一に至るまで、中国は三百年以上に及ぶ長い分裂期にあった。後漢の滅亡は、当時の正統教学であった儒敎の価値を毀損することとなる。分裂期の端緒たる三國時代には、「四學三教」と言われる新たな文化的価値が擡頭した。かかる特徴こそ、この時代が中国史における一大変革期と目される所以であろう。ただし、儒敎の価値が完全に損なわれたわけではない。知識人や官僚たちは、儒家の思想や經學を換骨奪胎しながら、新興の文化を受容していった。こうした文化に通じることは、両晉南北朝期の貴族に見られる特徴の一つとして挙げられる。
 これを踏まえて本書は、第一に、「人物評価の展開」と題して、後漢末以降に隆盛した人物評価のあり方を検討する。後漢末から三國・西晉にかけての儒敎官僚層の政権内における政治的位置づけを整理し、かれらの人物評価および評論に見られる思想的特徴を照射するものである。人物評価と密接に関わる九品中正制度の成立が貴族制を生んだことを勘案すれば、その評価のあり方を探るのは、政治・思想史において大きな意味を持とう。
 第二に、「正統性と鼓吹曲」と題して、自らの政権存立の大義・正統性を示した政治的宣伝、具体的には鼓吹曲を取りあげる。同じ中国史上の分裂期でも、春秋時代は名目上とはいえ周室を尊重していた。換言すれば、尊重すべき盟主が存在していたのである。しかし、三國時代は統一帝国たる漢が滅亡し、尊重すべき存在がなかった。それゆえ各政権は自らの正統性を主張する必要に迫られた。漢の継承を主張する蜀漢はともかく、かかる情勢下にて、曹魏・孫呉・西晉はその手段の一つとして鼓吹曲を用いたのである。本書はその詞に見られる正統化の理論とその根拠を考察する。

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