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詞学の用語

―『詞学名詞釈義』訳注

詞学の用語

名著『詞学名詞釈義』を翻訳し、独自の魅力を有する歌辞文芸「詞」の世界に誘う!

著者 宋詞研究会
ジャンル 中国古典(文学) > 唐宋元
出版年月日 2010/03/19
ISBN 9784762928765
判型・ページ数 380ページ
定価 4,400円(本体4,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【引言】より 唐詩や宋詞を、私は十六七歳の時にはすでに愛好していて、しばしば口ずさみ、時には見よう見まねで数首の絶句や小令を作ったこともあった。しかし数十年来、私はずっとそれらを情を高ぶらせたり、気晴らしをさせてくれる文学鑑賞の読み物と思い、精力を費やして研究する価値のあるものとは考えなかった。したがって、若い頃の私の意識の中では、詩詞は学問の一つではなかったのだ。一九六〇年代に突然詞に対する新たな興味がわき起こった。高熱にうかされたように、たくさんの詞集を読んだ。また分類して詞籍の目録を編集し、多くの詞集に校勘を施した。しだいに、詞の世界にも研究に値する多くの問題があると考えるようになり、そこでようやく、学問研究の方法と情熱をもって詞集を読み始めたのである。・・・・・詞は音楽と密接な関係を有する文学形式であり、詞の用語はしばしば音楽と関連がある。逆に言えば、詞を研究し鑑賞する人ならば当然知っていなければならない音楽の用語もいくつかあるのだ。たとえば張炎の『詞源』に論じられている宮調や律呂、謳曲旨要などには、音楽の用語でもあり、また詞学の用語でもあるという語がたくさん存在する。しかしながら、詞楽は失われてすでに久しく、これらの用語の正確な概念を解明するのは容易なことではない。私は古代音楽については全くの素人で、これらの用語に対して探索を進める能力が無く、古代音楽研究者の助けを待つほかない。いま、この小さな書物のなかで解説をしているのは、詞の一般の鑑賞者が知りたがっていると思われるいくつかの常用の用語だけである。いわゆる「詞学用語」の中の、一部分のみにすぎない。

【凡例】より 本書は、施蟄存氏の『詞学名詞釈義』の訳注である。文史知識文庫『詞学名詞釈義』(中華書局、一九八八初版)を底本とし、各篇は翻訳と注釈から成る。末尾に引用詞人詞学者小伝、引用書目、引用詞籍解題、異同表、参考年表、語彙索引、詞牌索引、書名・篇名索引、人名索引を付した。本書は、宋詞研究会有志が会誌『風絮』創刊号~第五号に連載したものを基としている。

宋詞研究会(訳者):明木茂夫・池田智幸・小田美和子・神部明果・澤崎久和・萩原正樹・藤原祐子・保苅佳昭・松尾肇子・村越貴代美

【内容目次】

 引 言(施蟄存)  凡 例

 一、詞          二、雅詞       三、長短句      四、近体楽府

 五、寓声楽府       六、琴趣外篇     七、詩余       八、令・引・近・慢

 九、大詞・小詞      十、闋        十一、変・徧・遍・片・段・畳

 十二、双調・重頭・双曳頭 十三、換頭・過片・ 十四、拍(一)(二) 十五、促拍

 十六、減字・偸声     十七、攤破・添字   十八、転調

 十九、遍・序・歌頭・曲破・中腔         二十、犯       二十一、塡腔・塡詞

 二十二、自度曲・自製曲・自過腔         二十三、領字(虚字・襯字)

 二十四、詞題・詞序    二十五、南詞・南楽  

附 録:引用詞人詞学者小伝/引用書目/引用詞籍解題    異同表/参考年表/ 索引

 

 

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