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清代台湾移住民社会の研究  新刊

清代台湾移住民社会の研究

清代における台湾移住民社会の諸相を「漢文史料」「日本語史料」を用い具体的に明らかにする

著者 林 淑美
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 明清
東洋史(アジア) > 台湾
シリーズ 汲古叢書
出版年月日 2017/07/07
ISBN 9784762960406
判型・ページ数 A5・380ページ
定価 本体9,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 清代台湾移住民社会史研究の回顧と展望――閩・粤関係を中心に

はじめに――「族群」 間の亀裂と新台湾人の創出
 「台湾省濁水・大肚両渓流域自然与文化史科際研究計画」――台湾移住民社会の結合原理をめぐって
 分類械闘――清代台湾の 「社会発展段階」論の一指標
 族群研究――移住民研究から原住民を含めた台湾史研究へ
 おわりに――清代台湾移住民社会史研究への新たな視点

第一部 科挙受験と台湾本地人の創出

第一章 だれが「客」なのか、だれが「土著」なのか?
 清朝と「客民」――官憲側の視点から 
 台湾における「土著」
 「客民」社会内部の「客」――民間側の視点から

第二章 童試受験問題と〝本地人〟の創出
 康煕年間の学校設置と童試受験生
 雍正五年規定――台湾〝本地人〟の創出/乾隆六年規定――粤人童試受験枠の成立

第三章 なぜ受験できないか?―― 一童試不法受験事件 
 事件の復原
 受験諸条件の分析
 童試受験と廩保

第四章 移住民と王朝国家――科挙をめぐる族群関係
 歳試――増広生・廩膳生の定員枠
 郷試――台湾府を単位とする挙人枠の設定
 会試――台湾府の進士枠の誕生

第二部 漢・番の境界地帯と 「番割」

第五章 「番割」と漢・番関係
 番割とは何か
 中央・地方の大官レヴェルから見た番割
 開発最前線の在地社会と番割

第六章 閩粤械闘から見た「番割」と漢・番の境界
 道光六年、淡水庁の閩粤械闘と番割黄斗乃
 道光十二年、鳳山県の閩粤械闘と番割
 清末における番割の再評価

第七章 「番割」と「通事」の交錯――道光六年黄斗乃の閩粤械闘再考
 道光六年、黄斗乃の閩粤械闘再考
 清末の国際情勢、「開山撫番」と番割
 番割と通事の交錯

第八章 なぜ、双渓口で起こったか?――牡丹社事件と「番割」
 牡丹社事件の生存者と双渓口の「蕃産物交換業者」
 牡丹社事件と双渓口を中心とした地域社会

終 章 新しい清代台湾移住民社会史研究へ向けて
 科挙受験と台湾本地人の創出
 漢・番の境界地帯と「番割」
 清代台湾史研究への新たな視座

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内容説明

【序章より】(抜粋)

第一部では、台湾西部平原地帯を中心に、科挙受験を通して見えてくる台湾人アイデンティティの創出を検討し、第二部では、東部山岳地帯(漢・番の境界地帯)を中心に、漢人・生番間を往来して様々な活動に従事した「番割」の実態を明らかにしながら、まさに中華と化外とが共存した清代台湾社会の諸相を王朝国家との関わりのなかから描出してみたいと考えている。誤解を恐れずにいうならば、近年、日本でも台湾でも日本統治期の台湾研究が極めて盛んである一方、残念ながら清代台湾史研究にはあまり興味関心が払われていないかのように見える。本書は微力ではあるが、そうした学界動向に一つの〝新たな風〟を吹き込むべく、個人や地域社会といったミクロな問題から、清朝という国家レヴェル、さらには国際関係などマクロな領域にまで議論の枠組みを拡げながら、清代台湾史研究の〝魅力〟を描き出してみたい。

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