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宋 慶 齢

―人間愛こそ正義―

宋 慶 齢

◎『宋慶齢 中国の良心・その全生涯』より20年、半生をかけ人間・宋慶齢の実像に迫る

著者 久保田 博子
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 近現代
出版年月日 2016/04/25
ISBN 9784762965654
判型・ページ数 A5・352ページ
定価 5,500円(本体5,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【はじめに】より(抜粋)

 宋慶齢は、政治は人民に心身の安らぎと豊かさをもたらすものでなければならず、人民に依拠し、それらを追求するものであるという、彼女にとっては当然の原則に終始忠実であった。幸いにも彼女は、それを共有できる大先輩・孫文に出会い、啓発され、活きた学習の機会を得ながら、やがて追求を共にし、そして何よりも「人民のために、人民に依拠した」共和国を創るのだという目標を共有した。その方策としての革命の苦闘の中で孫文は「革命尚未だ成らず…」の深刻な思いを遺して先立った。彼女は遺嘱を堅持し、それぞれの時期、段階において原則と目標に忠実に、多くの場合、原則と目標を共有できる人たち或いは中国共産党と合作し、他方、団結のための統一戦線に配慮して道を選び、術を模索して懸命に活動し、中華人民共和国成立の日を迎え、生涯最大の歓喜を味わった。

 エプシュタインの“Woman in World History,Soong Ching Ling”は、1993年、新世界出版社(北京)から出版されたが、前年11月に沈蘇儒訳『宋慶齢―二十世紀的偉大女性』として、中文版でまず世に出されていた。エピーのタイプの英文原稿は沈蘇儒を経て順次私のところに届けられ、1995年10月、拙訳『宋慶齢 中国の良心・その全生涯』として刊行された。エピーは、日本での翻訳出版を大変喜んで下さったが、他方彼は、「宋慶齢の重要資料は、毛沢東の場合と同様未だ大量のものが未公開です。彼女の伝記は将来書き直されねばならないでしょう」と話された。それから20年、中国は大きく変わり、大きく動いてきた。宋慶齢についても、宋家についても多くの関係史料が公開され、研究の深化、発展にも著しいものがある。私には、これら新しい情況を十分に踏まえ、対応して「宋慶齢」を描くことは実に難題である。しかし、牛歩であったが、私の後半生の学習と研究及び宋慶齢基金会における日中交流の活動で体得した「宋慶齢」を紹介することは、次世代における中国認識の糧の一つになると考えたい。また、宋慶齢の言論と実践を通じて見えてくる「人間社会における正義とは何か…?」の問いかけに向き合う契機として頂ければ幸いである。

【主要目次】

はじめに

第一章 孫文との出会い  

第二章 宋慶齢の青春:米国から祖国を見つめる

第三章 孫文との10年:革命を学び、中国近代化を模索

第四章 宋慶齢の独立

第五章 宋慶齢、模索への旅

第六章 宋慶齢之宣言  

第七章 抗日戦争と宋慶齢

第八章 日中戦争終結:第二次世界大戦終わる

第九章 中華人民共和国建国に参加

第十章 晩年の宋慶齢

おわりに/宋慶齢関係略年譜/宋慶齢関係系図

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