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馬琴の自作批評

石水博物館蔵『著作堂旧作略自評摘要』

馬琴の自作批評

馬琴は自作をどう評価していたのか――新発見資料の影印・翻刻を公刊!

著者 神谷 勝広
早川 由美
ジャンル 日本古典(文学) > 近世文学
出版年月日 2013/03/31
ISBN 9784762936128
判型・ページ数 A5・228ページ
定価 本体7,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

口上(安田文吉)
解説 1石水博物館と代々の川喜田久太夫   2馬琴『著作堂旧作略自評摘要』
影印 凡例
『著作堂旧作略自評摘要』 上巻・下巻

翻刻・注 凡例
『著作堂旧作略自評摘要』
 上巻  旧作略自評摘要
   『頼豪阿者梨怪鼠伝』 『雲絶間雨夜月』  『糸桜春蝶奇縁』
   『旬殿実々記』    『墨田川梅柳新書』 『皿皿郷談』
   『新累解脱物語』   『八丈綺談』    『俊寛僧都嶋物語』
   『四天王剿盗異録』  『青砥藤綱摸稜案』 『復讐奇譚稚枝鳩』
   『三国一夜物語』
 下巻  拙作旧刻の物の本略自評巻の下
   『月氷奇縁』     『石言遺響』    『勧善常世物語』
   『標注園雪前編』   『括頭巾縮緬紙衣』

あとがき/索引(人名・書名)

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内容説明

【解説より】(抜粋)

天保十五年(一八四四)、曲亭馬琴(著作堂主人は馬琴の別号の一つ)は、七十八歳の老齢で、すでに眼の見えない状態であった。そのような中、自作読本を嫁お路に読ませ批評し、お路に代筆させてまとめていた。そして、そのお路代筆本を借りて松坂の小津桂窓(馬琴の知友)が写本を作成していた。

従来の研究史において、これらのことに言及されていなかった。当時の馬琴書翰から若干の推測は可能であったが、馬琴自評の具体的内容については不明であった。

幸いこのたび、桂窓本を石水博物館で発見できた。馬琴が批評対象した作品は、十八作にも及んでいた(【内容目次】参照)。馬琴は、まず作品名の上に丸印の総合評価を付す。この総合評価は塗りつぶし部分の量で、七つの段階が存在する。そして自評により、自作のどこが良くどこが悪いと考えていたのか、三四十年を経て見方がどう変わったのか、史実・演劇との関わりをどう意識していたのか、出版に際しどのようなトラブルがあったのか、稗史七法則のうち主格を除く伏線・襯染・照応・反対・省筆・隠微は具体的にどの部分のことか、など多くの新しい情報がえられる。

石水博物館所蔵『著作堂旧作略自評摘要』は、馬琴研究および小説研究にとって第一級の資料であり、演劇研究や出版研究などにも益する内容も含んでいる。馬琴の肉声が聞こえてくるような資料である。

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