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王元化著作集 <3> 九十年代の反思録

王元化著作集 <3> 九十年代の反思録

『王元化著作集』全三巻完結――第三巻「九十年代反思録」の初邦訳なる

著者 王元化
岡村 繁
ジャンル 中国古典(文学) > 総記・論集
出版年月日 2010/03/30
ISBN 9784762927584
判型・ページ数 A5・466ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

【内容目次】
『王元化著作集』の序(岡村 繁)  『九十年代反思録』日本語訳の序(王 元化)
第一部
近思札記(1994~96)/『文心雕龍講疏』序(『王元化著作集Ⅰ』を参照、1991)
斯城の会及びその他の問答(1993)/杜亞泉と東西文化問題論戦(1993)/近年の「反思」に関する問答(1994)
ルソー『社会契約論』筆談三篇
友人と一般意思を談ずる書(1992)/張奚若とルソーを談ずる(1997)
友人と社会契約論を談ずる書(1998)
〔附録〕呉江の書簡
「五四」に関する思考(1998)/「五四」に対する再認識に関してお客の質問に答える(1999)
私の三回にわたる反思の過程を記す(2004)
第二部
「達巷党人」と海外の評注(1991)/「子見南子」と前人の注疏(1991)
京劇と文化傳統に関する問答(1995)/ヘーゲルを読みながら考え続けたこと(1996)
〔附録一〕ヘーゲルの『美学』札記三則(1988)/〔附録二〕知性の分析方法を論じる(1982)
シェークスピア劇読書時期の回顧(1997)/『シェークスピア劇の解読』跋(1997)
第三部
自 述(1994) 〔附録〕一切の誠意は最後にはめぐり合う(胡曉明)
顧准と彼の著作を語る二篇  『理想主義から経験主義へ』序(1989)/『顧准傳』序(1999)
張中暁と彼の著作を語る二篇 『無夢楼随筆』序(1992)/『無夢楼随筆』台湾版序(1997)
孫冶方を語る――『陳修良文集』序(1999)
『思辨短簡』後記/『思辨発微』序/『思辨随筆』序(『王元化著作集Ⅱ』を参照)
邂逅草書話(2000) 諧謔を語る/『幻洲』記略/『九尾の亀』
附 録
 王元化著述目録(1947~2002)・王元化評論文総目(1978~2002)
あとがき(海村惟一)/三巻総合索引・王元化著作集Ⅰ・Ⅱ正誤表

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内容説明

【日本語訳の序】より

本書は、私が九十年代に書いた文章を集めたものである。私に関して言えば、九十年代は、非常に重要な十年間であった。私は青年時代に著述を始めたのだが、九十年代になって、初めて本当に思想の領域に足を踏み入れることができたと言える。友人たちは、私がこのように言うのは、いささか大袈裟な所があると考えているが、本当のところ、これは実際の状況に基づいた正確な話なのである。九十年代は私の反思の時代であり、この時期になって、私は初めて、自分が長期に亘って積み重ねてきた思想観念に対して、やや徹底した全面的な検討を行うことができた。九十年代の反思の中で、私の得た主要な収穫とは、五四運動以来の啓蒙の心理状態に対する再認識と再評価であった。私の言う啓蒙の心理状態とは、人間の力と理性の能力とに対する、過分の信頼を指している。

 

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