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汲古選書56 蘭領台湾史

汲古選書56 蘭領台湾史

16世紀以来、翻弄された台湾草創期の歴史を明らかにする―既刊『鄭氏台湾史』前史の刊行

著者 林田芳雄
ジャンル 東洋史(アジア) > 台湾
シリーズ 汲古選書
出版年月日 2010/12/15
ISBN 9784762959568
判型・ページ数 4-6・384ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

【内容目次】
本 編
Ⅰ オランダ台湾長官と中国海賊――1624~1636――
ソンク、ウィット時代(1624~1627)
海上争覇戦の幕開けと林辛老・楊六/官商許心素のタイオワン貿易独占/鄭芝龍の崛起
ヌイツ時代(1627~1629)
官服に着替えた海賊鄭芝龍/李魁奇・鍾斌の台頭/ヌイツの鄭芝龍拘束事件
プットマンス時代(1629~1636)
李魁奇・鍾斌の没落と劉香の出現/鄭媽黄氏の営利活動/劉香のゼーランディア城襲撃/
鄭芝龍全盛の時代へ
Ⅱ 一六二七年台湾原住民代表訪日の経緯
一七世紀初頭の大員港と新港社
明軍とオランダ軍のタイオワン入港/日本商人のタイオワン渡航
新港社住民の日本往還
日・蘭衝突の背景/理加一行の訪日行程/タイオワン事件
タイオワン事件の余波
オランダ軍の新港社討伐/ヌイツ父子の悲運
Ⅲ 安定期のオランダ台湾統治――1636~1646――
統治形態
第五~八代台湾長官/ゼーランディア城/プロフィンシア町/ワンカン砦
住民対策
台湾の住民/住民服従の儀式/対話集会/地方会議/理加――新港社リーダー
北台湾領有
イスパニアの北台湾進出/西・蘭戦争/日本人の発見
Ⅳ ラメイ島原住民族滅尽の記――蘭領台湾時代の悲劇――
島名の由来と侵攻の動機
ラメイ、ガウデン・レーウ/小琉球、琉球嶼/第一次侵攻
  虐殺と虜掠の繰り返し
   第二次侵攻/遭難船の顛末/オランダ軍のラメイ島駐留/第三次侵攻
島の変転と島民の命運
ラメイ島を漢人に貸与/長官視察と第四次侵攻/虜掠連行された島民の行方
忘却されたラメイ島の惨劇
一七世紀後半のラメイ島/一八世紀のラメイ島/一九世紀の文献に現れたラメイ島
Ⅴ オランダ領台湾の終焉――1646~1662――
台湾を巡る内外情勢の変化
第九~一二代台湾長官/清朝成立後の中国大陸/漢人移民の増加と農地拡張/台湾近代化への努力
原住民懐柔とキリスト教伝道
宣教師の布教活動/土着信仰の破壊/地方会議の継続開催/政教対立問題
漢族移民問題
移民対象の各種税制と法令/在台漢人リーダーの面々/農民反乱の始終/反乱平定後の蘭・鄭関係
鄭軍来襲と蘭領台湾時代の幕切れ
清・鄭戦争の推移/蘭・鄭交渉の曲折/漢人頭領の暗躍/ゼーランディア落城
附 篇
Ⅵ 一七世紀初頭の澎湖を巡る明蘭の攻防
澎湖の歴史地理学的考察
一六世紀中葉までの澎湖史略/「澎湖三十六島」について
一六世紀後半における華南沿海情勢
閩粤海寇の澎湖盤踞/オランダの華南進出と日本の動き
蘭船の澎湖寄港と明国の態度
一六〇四年蘭船の澎湖寄港の経緯/沈有容による蘭船「諭退」
オランダの澎湖占領と撤退
一六二二年蘭船澎湖占領の意図とその後の展開/オランダの澎湖撤退
Ⅶ 何喬遠と『閩書』
何喬遠とその時代
書香門第から進士及第(1558~1587)/刑部・礼部に仕進(1588~1594)/故郷で講学と撰述(1595~1620)
再度仕進の道へ(1621~1623)/尊敬される郷紳として(1624~1628)/最後の奉公(1629~1631)
『閩書』とその周辺
『閩書』の撰述と出版/全書の目次・分類/二二志の内容/とくに前帝・君長・島夷の三志について
あとがき

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内容説明

【はしがき】より 

地球上、東経12007分から12200分、北緯2154分から2518分に位置し、一見蕃藷(さつまいも)のような形をした島――台湾島。この島が、周辺の島々とはっきり区別されて中国の文献上に現れるのは14世紀中葉以降から、西洋の海図や航海記などに見え始めるのは16世紀中葉以降からである。そして、その島に足を踏み入れた人による実地見聞記が公にされ、島内の事情が広く内外に知られるようになるのは17世紀初頭に入ってからのことである。これより台湾島は、東西諸勢力の注目の的となるだけではなく、次第に競合争奪の地と化していくが、ついに武力をもって島を占領し、史上初の統治権を確立したのはオランダ勢力であった。

本書は、38年に亙るオランダの統治下にあった台湾島のありのままの姿を明らかにしたものである。台湾島の歴史は、即ち台湾原住民族の歴史である。故に38年間に起きたさまざまな出来事を、台湾原住民族の視点から捉えるべきであることは、言を俟つまでもない。著者は先に鄭氏政権時代の台湾の歴史を明らかにしたが、それ以前の時代については言及できなかった。本書の刊行が、草創期の台湾史の解明に幾らかでも役に立てたら幸いである。

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