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中国支配下の水資源と環境  これから出る本

中国支配下の水資源と環境

◎前近代から現代にわたる中国の環境政策を分析し、水資源をめぐる諸問題とその影響を考察する!

著者 小林 善文
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 明清
東洋史(アジア) > 近現代
出版年月日 2026/01/30
ISBN 9784762967658
判型・ページ数 A5・198ページ
定価 6,930円(本体6,300円+税)
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

はしがき

第一章 中国の環境政策の特質
はじめに
一、地球温暖化に対する中国の政策〔中国の基本姿勢/二酸化炭素排出と経済成長〕
二、中国の環境影響評価〔環境影響評価の位置づけ/アセスメントの実態〕
三、中国環境史研究から見た政策評価〔中国環境史研究の現状/研究の特色〕
おわりに
第二章 中国の新疆進出と環境問題
はじめに
一、清朝の新疆進出と屯田〔新疆の成立/林則徐と左宗棠〕
二、二〇世紀の新疆開発と生態環境
〔(1)中華民国の時代/(2)中華人民共和国と新疆生産建設兵団(3)開発の影響と課題〕
おわりに
第三章 チベットの環境問題と中国の影響―雅魯蔵布江流域を中心に―
はじめに
一、チベットの環境問題をめぐる歴史的変化〔吐蕃から清末まで/二〇世紀以降のチベットと中国〕
二、チベット開発と環境問題〔雅魯蔵布江流域の開発/開発の展開〕
三、環境保護政策の展開と課題〔開発の問題点/開発の影響〕
おわりに
第四章 雲南の水資源と環境
はじめに
一、雲南開発の歴史的背景〔前近代の雲南/人口の増加〕

二、瀾滄江の電源開発をめぐる諸問題〔瀾滄江の電源開発/ダム建設の影響〕
三、湖沼と河川の汚染をめぐって〔湖沼の汚染/水質改善の壁〕
四、生態環境をめぐる諸問題と解決への道
〔水土保持の重要性/シーサンパンナの実情/環境保全の取り組み〕
おわりに
第五章 北京の水問題と南水北調
はじめに
一、北京の水問題の歴史と現状〔北京水問題の歴史/現代北京の水問題〕
二、南水北調中線工程の完成と移民問題〔丹江口ダム拡張と移民/移民の苦闘〕
三、中線工程をめぐる諸問題〔丹江口ダムの水質問題/北調水をめぐる諸問題〕
おわりに
第六章 淮河流域環境問題の歴史的背景
はじめに
一、淮河流域の開発と環境〔歴史と水利〕
二、奪淮による環境の劣化〔黄河の南流/南流の影響と対策〕
三、一九世紀から二〇世紀前半の淮河治理と地域事情〔張謇の淮河治理〕
四、中華人民共和国期における淮河流域の水環境〔治水策と課題/産業の発展と汚染〕
おわりに
第七章 中国北部の乾燥地帯における人間活動と水環境
はじめに
一、黄河流域と黄土高原の開発と環境
〔前近代の黄土高原/黄土高原の生態環境/寧夏回族自治区の生態移民/退耕還林政策/内蒙古自治
区の牧区〕
二、黒河流域における人間活動と水資源〔黒河流域の開発史/黒河の水資源問題/開発の方向性〕
おわりに

あとがき/索引(人名・地名、事項)

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内容説明

【「はしがき」より】(抜粋)
 本書が主たる対象としている中華人民共和国は、二〇二〇年代前半段階で、二酸化炭素(CO₂)排出量が世界全体の三〇%を超え、温暖化を助長する石炭使用量も多い。社会主義体制をとっていた二〇世紀の旧ソ連は、とくに中央アジア方面の自然開発に積極的であって、アムダリアの無謀な水資源開発によってアラル海をほとんど消滅させ、周辺の生態環境に壊滅的な打撃を与えた。同様に社会主義体制をとる現在の中国も経済成長につながる自然開発に積極的である。中国は対外的には温暖化防止に努め、再生エネルギー導入に熱心で、関連産業も積極的に育成していると標榜するが、石炭使用量は世界一である。その中国の淡水資源量は、一人当たりにして世界平均の四分の一にとどまり、偏在も目立つ。
 「中国」という言葉を定義することは諸説があり難しさもあるが、本書では前近代では中原に拠点を置く大型の王朝、近現代では中華民国や中華人民共和国を中国とみなし、これら中央政府と周辺諸国を含めた地方政府との間の生態環境をめぐる諸問題を考察の対象とする。
 環境問題は、政治・経済・社会全体に関係する問題であり、人々の格差問題にも渉るので、すべての面で人類社会の持続可能性に関係する問題としてとらえていきたい。

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