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藍澤南城の学問と教育  新刊

藍澤南城の学問と教育

◎越後最大の私塾を経営した儒者藍澤南城は、江戸期儒学史においてどう位置づけられるのか!

著者 村山 敬三
ジャンル 日本古典(文学) > 近世文学
日本古典(文学) > 近世文学 > 儒学国学
日本漢学
出版年月日 2023/04/18
ISBN 9784762936784
判型・ページ数 A5・626ページ
定価 13,200円(本体12,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

序 章 研究の目的と方法
  藍澤南城研究の資料と先行研究概観
  研究の課題
  【藍澤南城関係出版物論文等文献一覧】

第一章 江戸期折衷派と南城の江戸遊学時代
  第一節 江戸期折衷派について     
  第二節 片山兼山の人物と経説
  第三節 南城の江戸遊学時代

第二章 南城の経学
  第一節 『周易索隠』について     
  第二節 『古文尚書解』について
  第三節 『三百篇原意』について    
  第四節 『論語私説』について
  第五節 『孟子古注考』について    
  第六節 南城の経学

第三章 南城の詩学
  第一節 南城における杜甫       
  第二節 農村に暮らす――南城の田園詩――
  第三節 南城の詩学

第四章 南城の教育
  第一節 三余堂            
  第二節 三余堂の日常
  第三節 南城の農民教育        
  第四節 入門者たちのその後
  第五節 南城の教育

結 語

【付録】
  一 藍澤南城年譜        
  二 『三余堂弟子籍』による地域及び戸別弟子一覧表
  三 藍澤南城「三余集抄題言」訳注

初出誌一覧
あとがき

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内容説明

【序章より】(抜粋)
 本研究は、江戸後期の儒者藍澤南城(一七九二~一八六〇)の学問と教育について、南城が遺した著作を中心として検討することにより、それがどのようなものだったかを解明しようとするものである。南城は越後最大の私塾を経営した人物で、詩文はもちろん注釈書なども多く遺しているが、これまで江戸期の儒学史、漢文学史などにはほとんど記載されることのなかった人物である。本研究で用いる方法を以下に述べてゆく。方法の第一は、一個人の全体を研究対象とすることで、言い換えれば研究の到達点を大きく設定することである。……
 方法の第二は、第一の方法に関係するが、部分を統合するということである。もう少し詳しく言うと、考察された部分を総合した上でさらにそこに考察を加えることである。部分とは、たとえば第二章「南城の経学」における各節、つまり各注釈書の研究が部分であり、さらにまとめとして第六節「南城の経学」を設けるのは、内容を補足するという一面もあるが、第一には各節での考察を踏まえて改めて考察を加える意図からである。また、経学、詩学、教育という分野もそれぞれが部分である。この部分もまた統合の必要がある。……
 方法の第三は、歴史の上に立った考察である。本研究が、最初に江戸期折衷派の検討から始めるのはその一つの試みである。どのような儒者であっても前代からの影響を受けない者はいない。また、南城が生きた時代の状況がどのようであったかを知ることはどのような分野の研究を行うについても必須のことである。さらに後代にむけて南城の仕事がどのような意義を持つかという視点も重要である。
 方法の第四は、特徴となるものを探すこととその意味を問うことである。特徴が既に現れているのであれば、その意味を問うことになる。たとえば、南城の一つの特徴は地方儒者であったことである。経書の注釈、二千に近い詩、三余堂の教育、それらは詩の一部を除いてすべて柏﨑南条の地においてなされた。南城にとって、地方に住んだことの利点はあったのか。南城はなぜ地方の片田舎に塾を開いたのか。たとえばそのような問いをもって考察を深めるのである。以上が本研究における主要な方法であるが、さらに付言しておきたいことがある。それは、既存の資料だけに頼らず新しい資料を蒐集し、また現地調査による考察も加えてゆくことである。これは主に教育の分野についてのことになる。これまで知られていなかった史料の存在に注意することや、地域の人から三余堂に関係した話を聞いたり、門人の家を訪ねたりすることなどによって考察を深めてゆくのである。その量と得られる成果から言えばわずかなものになるかもしれないが、本研究で重視したい方法である。

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