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菊を採る東籬の下

石川忠久先生星寿記念論文集

菊を採る東籬の下

◎石川忠久先生の星寿を祝し!受業生ほか30名の論考を収録する!

著者 石川忠久先生星寿記念論文集刊行会
ジャンル 中国古典(文学)
中国古典(文学) > 総記・論集
出版年月日 2021/10/26
ISBN 9784762966958
判型・ページ数 A5・716ページ
定価 18,700円(本体17,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

【内容目次】
序文 (市川桃子)

石川忠久先生 略年譜
石川忠久先生 主要著書


中国の文学と文化

『毛詩』に見える「萬舞」について――邶風・簡兮篇を中心に――(藪 敏裕)
陶淵明における柳の意味について(増野弘幸)
陶淵明、謝霊運から謝朓への詩風と詩語の継承(佐藤正光)
斉梁艶詩における「中人」について(大村和人)
御製詩とその「泰和…応詔」詩にみる政治に対する詩の機能性について(矢嶋美都子)
月の「徘徊」が意味するもの――李白「月下独酌」を中心として――(遠藤星希)
李白「白髪三千丈」の意味と数字の用法(市川桃子)
唐代詩歌に見える故郷の月――「漢月」を中心に――(高芝麻子)
薛濤「九日遇雨」詩と重陽の詩における正と変(詹 満江)
唐代小説「辛察」と「煎餠招鬼」(澤崎久和)
王安石詠金陵詩(和田英信)
北宋太守の文学――蘇軾の密・徐知州時代における詩詞と文――(内山精也)
文徴明の「落花詩」――典故による新たな詩的空間――(鷲野正明)
阮元の詩に表された「茶」について(直井文子)
『桐橋倚棹録』と近代蘇州の文人たち――王伯祥・顧頡剛・葉聖陶・兪平伯――(大木 康)
楚の初期王諡について(三上英司)
馬王堆漢墓帛書《陰陽五行》甲編
     ――「祭(三)」「宜忌」「諸日」「祭(二)」綴合校釋――(名和敏光)
空飛ぶ人面魚たち――晋・前涼王朝の『山海経』受容と西北認識――(松浦史子)


日本の文学と文化

尺五堂釈菜式における「聴講詩経」詩十七首(日原 傳)
山中静逸の収集に係る小野湖山・谷鐵臣「まくり」詩稿について(池澤一郎)
朝鮮通信使関連刊行物の朝鮮人言葉を通じてみた朝鮮の表象(石川泰成)
野田の観桃をめぐる詩文
    ――佐藤元萇・大沼枕山・宮本鴨北・渋沢栄一等と造醬家茂木氏――(町 泉寿郎)
大沼枕山による齋藤竹堂の詩の改変に就いて 
    ――宮城県図書館所蔵『竹堂詩鈔』枕山自筆加評本の紹介――(堀口育男)
揚州における吉嗣拝山(長尾直茂)
『日本閨媛吟藻』の研究(大戸温子)
鄭孝胥執務室から見た「満洲」――宇佐美勝夫国務顧問の役割――(菊地隆雄)
「岳堂体」初探――石川忠久の漢詩の作風分析――(早川太基)
江戸期のことば(童子)の教育(1)――『新童子往来万世宝鑑』からみる――(安居總子)
簡野道明編の女子漢文教科書の日本素材(加藤国安)
漢詩素材としての『日本外史』
    ――教育者・西川文仲による『日本外史楽府』について――(有木大輔)

跋(詹 満江)

編集後記
執筆者一覧
英文目次

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内容説明

【序文より】(抜粋)

石川忠久先生が、星寿を迎えられた。星寿とは、先生ご趣味の囲碁に使われる碁盤の星の数にちなむ、九十歳のお祝いである。このめでたい年に、学恩を受けた者たちが諸方から駆け付けて、本書が成った。先生は十五歳のころから漢詩の勉強を始められ、東京大学文学部中国文学科に進まれ、以来、現在に至るまで、一途に漢詩の道を歩まれた。ご専門は六朝文学で、特に陶淵明(三五六?―四二七)について研究を深められた。陶淵明の伝記、作品を分析し、従来の理想化された陶淵明像とは異なる、事実に基づいた陶淵明像を提出された。その学位論文「陶淵明研究」ほかをまとめて『陶淵明とその時代』(一九九四年 研文出版)を出版された。そののち、『陶淵明とその時代』増補版(二〇一四年  研文出版)も出版されている。これは、先生の生涯のご研究の精華である。中国古典文学研究とともに、日本漢詩の研究にも力を尽くされた。『大正天皇漢詩集』(二〇一四年 大修館書店)、『三嶋中洲詩全釈』(全五巻 二〇〇七―二〇一九年 二松学舎)ほか、この方面の著書も多い。三十代で桜美林大学の創設に招かれ、文学部長、評議員の職に就かれ、のちに名誉教授となられた。二松学舎大学に移られてからは、理事長、学長の重責を歴任した。日本中国学会では理事長の任に就かれた。それだけではない。多くの大学で非常勤講師として教え、研究会を主催し、そのようにして多くの学者を養成した。本書には、各所で先生の学恩を受けて成長した学者の論文が載っている。

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