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在外日本学関係資料の調査研究 【研究編】・【影印編】 (全2冊)

在外日本学関係資料の調査研究

◎世界7カ国14名の執筆者参加による国際共同研究の成果並びに未公開資料の影印・紹介!

著者 辻 英子 編著
ジャンル 日本古典(文学)
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出版年月日 2021/02/05
ISBN 9784762936548
判型・ページ数 A5・1066ページ
定価 33,000円(本体30,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

【研究編・内容目次】

カラー口絵
はじめに
凡 例

Ⅰ イギリス 
             
 大英図書館所蔵のアーネスト・サトウコレクション
      ――その歴史と意義―― (ヘイミッシュ・トッド(大英図書館東アジア部長))

Ⅱ オーストリア  

 1「一八七三年、日本がヨーロッパに来た」展を内側から 
       (ベッティーナ・ツォルン(ウィーン世界博物館東アジアコレクション部長))
 2アイヌ語の語彙における信仰と祭祀 (アレクサンダー・スラヴィーク)

Ⅲ ドイツ

 江戸時代の流行文化の光景
      ――ブレーメン海外博物館所蔵の「合巻」コレクション―― 
                 (レナーテ・ノダ(ブレーメン海外博物館人類学部長))

Ⅳ スペイン 
        
 マドリード・コンプルテンセ大学美術学部図書館所蔵の日本書籍と版画
       (ピラール・カバーニャス・モレノ(マドリード・コンプルテンセ大学教授))

Ⅴ チェコ

 プラハに渡った円山応挙「七難七福図巻」の初期の模写について
          (ヘレナ・ホンコポーヴァ(プラハ国立美術館名誉部長)・辻 英子)

Ⅵ ロシア
 
 1クンストカメラの最初の日本画 
   (アレクサンドル・Y・シニーツィン
     (ロシア科学アカデミー・ピヨートル大帝記念人類学民族学博物館上級研究員))
 2ロシア科学アカデミー・人類学民族学博物館(クンストカメラ)
     ワーツラフ・セロシェーフスキ・コレクションより 『女護島絵巻』について 
                         (アレクサンドル・Y・シニーツィン)
 3ロシアにおける日本説話の翻訳と研究の概要 
                (ディアナ・キクナゼ(サンクトペテルブルク大学講師))
 4国立エルミタージュ美術館所蔵『放屁合戦図巻』 ――風変わりな絵画 競う霊―― 
              (アンナ・サヴェレヴァ(国立エルミタージュ美術館学芸員))
 5完璧にして力強く すばらしい芸術 
     ――一九五七年 ソビエト国民のための日本美術と工芸―― 
                (アンナ・エゴロヴァ(国立東洋美術館モスクワ研究員))
 6コンスタンチン・シモノフと日本の陶器――わび さび――
        (エカテリーナ・シモノヴァ・グシェンコ
               (モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学文化学部長))

Ⅶ 日本

 1新出の狩野養信筆「翁三番叟千歳図」について ――御用絵師の業務としての制作―― 
                       (松原 茂(根津美術館学芸部長・理事))
 2浅井了意筆『咸陽宮』絵巻について (石川 透(慶應義塾大学教授))
 3大英図書館所蔵『つきしま 下』本文と解説 (辻 英子)
 4新出朝倉重賢筆『ちやうりやう』絵巻の本文と解説
 5聖徳大学所蔵『鉢木』絵巻の本文と解説
 6聖徳大学所蔵『うしわかまろ』絵巻の本文と解説
 7菩提樹の木陰で――海外の日本学・日本文学研究を尋ねて――
 8『日本霊異記』上巻第十二と敦煌変文『捜神記』と
 9『七夕』絵巻(現代語訳改訂版)

〔付論〕(欧文)

 1ロシア語訳『七夕』絵巻 (ディアナ・キクナゼ)
 2ロシア語訳 石川透「浅井了意筆『長恨歌』断簡の出現」 
      (カリーネ・マランジャン(ロシア科学アカデミー東洋文献研究所上級研究員))

Ⅰ~Ⅵ 原論文(欧文)
初出・未公刊一覧
あとがき
連携研究者・翻訳協力者紹介

                
【影印編・内容目次】(横本・オールカラー)

はじめに

チェコ
 Ⅰアルチンボルド美術館(個人蔵)長谷川雪旦模写「円山応挙筆の七難七福図巻」 

ロシア
 Ⅰ国立エルミタージュ美術館所蔵『放屁合戦図巻』 


日本
 Ⅰ聖徳大学所蔵『ちやうりやう』絵巻   
 Ⅱ聖徳大学所蔵『鉢木』絵巻 
 
初出・未公開一覧     
                
(令和2年度日本学術振興会助成図書)

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内容説明

【研究編「はじめに」より】(抜粋)

 私は一九八〇年半ば以来、アメリカをはじめ在外日本の絵巻・絵物語の収集と研究を継続してきた。同時に日本から海外へ日本文化・文学の発信をするだけでなく、海外の人たちが日本文化・文学に深い関心を寄せ、熱心に考究し紹介している現実を目のあたりにし、海外で日本学(日本文学・文化)への理解・研究がどのようになされているのかを知りたいと強く考えるようになった。日本文学研究を責務とする私自身にとって、相互理解のためにはこの二つの立場が必須の条件であろうと思うのである。本来説話や歴史物語研究に携わる私にとって、絵でそれをわかりやすく説いているのが絵巻であり、ときには絵だけの物語もある。多くは詞書(ことば)と絵を順次に配列するがその場合絵は、語られている話の補助性ももっている。『源氏物語』の絵合の巻に竹取翁の物語を叙して、「絵は巨勢の相覧、手は紀の貫之(八六八?-九四六)書けり」と記されて以降、詞書と絵画を交互に描いた絵巻は、日本で栄えた物語様式である。本書には、国際共同研究として一四名・二五点の論考を掲載することができた。ことにスペイン・ロシアの日本学(日本文学・文化)の研究事情の報告は日本文学の分野では、はじめてのことと思われる。拙著『在外日本絵巻の至宝』(平成二九年度(二〇一七)JSPS科研費 17HP5029の助成による)に続く論考である。この『在外日本学関係資料の調査研究』は、【研究編】と【影印編】とからなり、前者には論考および翻刻と解題等の論考七編二五論考を、後者には四作品を収める。(中略)
 本書はこの三年間のささやかな共同研究の成果である。外国語からの日本語訳に当たってはネット通信により原著者と翻訳者との直接の交換をとおして、論考の意図や訳語の選択を確認する機会を重ねた。世界の読者にいささかでも日本のこころを伝えることができたら幸いである。



Research on Materials for Japanology in Overseas Collections

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