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江戸派の研究

江戸派の研究

近世後期、人の交流と書物の往来から、「雅文化」を創り上げた江戸派の本質に迫る!

著者 田中康二
ジャンル 日本古典(文学) > 近世文学 > 和歌歌謡
出版年月日 2010/02/13
ISBN 9784762935732
判型・ページ数 A5・568ページ
定価 本体13,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

【序論 江戸派という交差点】より 

江戸派とは、賀茂真淵の門弟である加藤千蔭と村田春海を双璧として、寛政初年に結成された派閥であり、和歌・和文の面ですぐれた作品を残したことにより、文学史に位置づけられている。江戸派は寛政・享和・文化の約二十年の間に、千蔭と春海を中心として活動し、近世後期都市江戸の雅の文化を創り上げたのである。

そもそも江戸派という名称は、しばしば本居宣長の率いる鈴屋派に対比する形で用いられてきた。古道論を主張した鈴屋派に対して、日本に「道」はないと喝破し、和歌・和文に長じた江戸派という構図である。旧著『村田春海の研究』(汲古書院、平成十二年十二月)においても、徹底的に宣長と比較しつつ、春海および江戸派の特質を顕在化させた。この観点は同時代的に見ても有効であり、江戸対松坂という人文地理学的見地の設定によって、近世後期の文化現象としてとらえることも可能である。・・・江戸派には宣長以外にも数多くの人々との交流があり、たくさんの書物の往来がある。そういった人的つながりや物的つながりという側面から江戸派をとらえると、これまでとは異なる像が立ち現れる。そのような人の交流と書物の往来の拠点となったという認識から、江戸派を「交差点」という名称で呼びたい。この「交差点」という見立てによって江戸派の本質に迫ることができるであろう。本書は大きく四部で構成されている。第一部は主に江戸派の和歌表現を論じ、第二部は江戸派の出版の問題を扱い、第三部は主に江戸派における学説の継承の問題を扱い、第四部は江戸派を取り巻く同時代の人々を論じた。全四部の構成を通じて、交差点としての江戸派の特質を論じ、国学が有する学問体系とその同時代的特徴を析出することを目指した。

【内容目次】

序論 江戸派という交差点

第一部 江戸派の表現

  第一章 江戸派の和歌          

  第二章 春海歌の生成と推敲  

第三章 春海歌と漢詩          

第四章 江戸派の叙景表現

 第二部 江戸派の出版

  第一章 江戸派の出版          

  第二章 『おちくぼ物語註釈』の出版

  第三章 『契沖法師富士百首』の出版   

  第四章 小山田与清の出版

第三部 受容史上の江戸派

 第一章 江戸派の古典受容        

 第二章 をかし・おかし別語説の成立と受容

 第三章 江戸派の歌論の生成       

 第四章 「たをやめぶり」説の成立と継承

 第五章 慈円歌の受容と評価の変容    

 第六章 板花検校説話の成立と展開

第四部 江戸派の係累と人脈

 第一章 江戸派の血脈――「織錦門人の分脈」の分析 

  第二章 村田春道――村田家と堂上方

 第三章 楠後文蔵――「松坂の一夜」外伝      

  第四章 雪岡宗弼――雪岡禅師と江戸派

 第五章 妙法院宮――『妙法院宮御園十二景』の成立  

第六章 松平定信――『三草集』「よもぎ」の添削   

第七章 天野政徳――文政期江戸歌壇と『草縁集』

 第八章 海野遊翁――天保期遊翁結社と『現存歌選』 

  付章  朋誠堂喜三二――晩年の和歌・和文修行

初出一覧・跋文・索引(人名索引・書名索引)

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