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儒教の名句 上巻

─『四書句辨』を読み解く─

儒教の名句

◎懐徳堂の中井竹山も注目した『四書句辨』の全訳・解説書

著者 湯浅 邦弘
ジャンル 中国思想・哲学
中国思想・哲学 > 先秦漢
出版年月日 2020/12/21
ISBN 9784762966705
判型・ページ数 A5・360ページ
定価 7,700円(本体7,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに(湯浅邦弘)
用語解説
凡 例
春秋時代地図・戦国時代地図

一、『大学』
 (1)天子より以て庶人に至るまで    
 (2)其の厚き所の者薄くす
 (3)切するが如く磋するが如く琢するが如く磨するが如し
 (4)訟えを聴くは、吾猶お人のごときなり。必ずや訟え無からしめんか
 (5)故に君子は必ず其の独りを慎むなり 
 (6)至らざる所無し   
 (7)視れども見えず、聴けども聞こえず 
 (8)赤子を保んずるが如し
 (9)己之を有するが若し
 (10)此れを唯だ仁人のみ能く人を愛し、能く人を悪むを為すと謂う
 (11)此れを国は利を以て利と為さず、義を以て利と為すなりと謂う
 (12)亦た之を如何ともする無し

二、『中庸』
 (1)天下の達道なり  
 (2)7万物育す
 (3)中庸は其れ至れるかな、民能くすること鮮きこと久し
 (4)道の行われざるや、我之を知れり  
 (5)君子之に居る      
 (6)其の至れるに及んでは
 (7)睨して之を視る
 (8)亦た人に施すこと勿れ  
 (9)敢えて勉めずんばあらず
 (10)上は天を怨みず、下は人を尤めず 
 (11)斉明し盛服す
 (12)夫れ微の顕かなる
 (13)尊は天子為り、富は四海の内を有ち、宗廟之を饗け、子孫之を保つ 
 (14)斯の礼や
 (15)宗廟の礼
 (16)国を治むるは、其れ諸を掌に示るが如きか
 (17)仁は人なり
 (18)親を親しむを大と為す 
 (19)昆弟なり
 (20)之を行う所以の者は一なり
 (21)礼に非ざれば動かず
 (22)親を親しむなり  
 (23)善を嘉して不能を矜れむ
 (24)絶世を継ぎ、廃国を挙ぐ     
 (25)下位に在りて上に獲られざれば、民得て治むべからず。上に獲らるるに道有り。     
    朋友に信ぜられざれば、上に獲られず。朋友に信ぜらるるに道有り。
    親に順ならざれば、朋友に信ぜられず。親に順なるに道有り。
    諸を身に反りみて誠ならざれば、親に順ならず。身を誠にするに道有り。
    善に明らかならざれば、身に誠ならず
 (26)誠は天の道なり、之を誠にする者は人の道なり
 (27)仁なり    
 (28)故きを温ねて新しきを知る
 (29)其れ此れの謂いか
 (30)吾夏の礼を説く、杞は徴するに足らざるなり
 (31)今之を用う 
 (32)吾周に従わん

三、 『論語』 上
 (1)弟子入りては則ち孝、出でては則ち弟
 (2)忠信を主とす
 (3)孝と謂うべし  
 (4)学を好むと謂うべきのみ
 (5)何如、子曰く、可なり 
 (6)始めて与に詩を言うべきのみ
 (7)人の己を知らざることを患えず、人を知らざることを患う
 (8)子曰く、生けるときは之に事うるに礼を以てし、
    死せるときは之を葬るに礼を以てし、之を祭るに礼を以てす
 (9)人焉んぞ廋さんや、人焉んぞ廋さんや
 (10)禄其の中に在り 
 (11)直きを挙げて諸を枉れるに錯く     
 (12)子曰く、知らざるなり
 (13)官事摂ねず   
 (14)里は仁なるを美と為す。択んで仁に処らざれば、焉んぞ知を得ん
 (15)吾が道は一以て之を貫く    
 (16)労して怨みず   
 (17)其の兄の子を以て之に妻す
 (18)君子なるかな、若き人
 (19)其の仁を知らず   
 (20)求や何如
 (21)衣る軽裘 
 (22)亦た可ならずや
 (23)哀公問う、「弟子孰か学を好むと為す」と。
    孔子対えて曰く、「顔回なる者有り。学を好み、怒を遷さず、過を弍びせず。
    不幸にして短命にして死す。今や則ち亡し。未だ学を好む者を聞かざるなり」
 (24)一簞の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人其の憂いに堪えず。
    回や其の楽しみを改めず
 (25)君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てす
 (26)堯舜も其れ猶お諸を病めり
 (27)人を誨えて倦まず
 (28)何か我に有らんや
 (29)仁を求めて仁を得 
 (30)其の善なる者を択びて之に従う 
 (31)孰か礼を知らざらん
 (32)恥なり      
 (33)吾未だ徳を好むこと色を好むが如き者を見ざるなり
 (34)知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず
 (35)色勃如たり、足躩如たり
 (36)君命じて召せば、駕を俟たずして行く

四、 『論語』 下
 (37)君子なり
 (38)吾が徒に非ざるなり。小子鼓を鳴らして之を攻むるも、可なり 
 (39)不可なれば則ち止む
 (40)亦た各おの其の志を言うなり
 (41)回不敏と雖も、請う斯の語を事とせん
 (42)君子の徳は、風なり。小人の徳は、草なり。草之に風を上うれば必ず偃す  
 (43)士と謂うべきか
 (44)中行を得て之に与せずんば、必ずや狂狷か。
    狂者は進みて取り、狷者は為さざる所有るなり
 (45)利を見て義を思い、危を見て命を授く
 (46)亦た以て成人と為すべし
 (47)孔子曰く、吾大夫の後に従うを以て、敢えて告げずんばあらざるなり
 (48)難いかな                 
 (49)寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち人任じ、敏なれば則ち功有り
 (50)孔子行る
 (51)五穀分かたず
 (52)子路行きて以て告ぐ
 (53)廃すべからざるなり
 (54)已に之を知れり
 (55)能くし難きを為す
 (56)君子の過つや、日月の食の如し。過つや、人皆之を見る。
    更むるや、人皆之を仰ぐ

参考文献
執筆者紹介(湯浅邦弘・六車 楓・菊池孝太朗・黑田秀教)

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内容説明

儒教の最重要経典「四書」は、印刷製本技術の発達とともに近隣諸国にも伝播し、儒教文化圏の形成に大きな役割を果たした。そうした中、読者の便宜を考慮して巻末に附録を併載するものが出てくる。その一つに「四書句(く)辨(べん)」がある。短編ではあるが、極めて興味深い内容で、「四書」の中から重要な語句を取り上げ、同一または類似する他の用例を併記したものである。
 この附録付きの「四書」は、江戸時代初期には日本でも和刻本として刊行され、大坂の儒者中(なか)井(い)1730~1804)は、この附録部分を自ら抜き書きし、『四書句辨』として独立させている。儒教の名句を学ぶ重要な教材だと考えたのであろう。
 そこで本書では、中井竹山の思いを継承し、この『四書句辨』を単行本として現代によみがえらせることを目的とする。この上巻では、『大学』『中庸』『論語』までを取り上げ、『孟子』は下巻に収録する。また下巻には、解説と総索引を付す予定である(下巻2021年刊行予定)。

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