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敦煌・吐魯番文書の世界とその時代 (単行本) 新刊

敦煌・吐魯番文書の世界とその時代

国内外の敦煌・吐魯番研究者による最新成果なる!

著者 土肥 義和
氣賀澤 保規
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 魏晋隋唐
東洋史(アジア) > 宋元
出版年月日 2017/04/21
ISBN 9784762995651
判型・ページ数 A5・516ページ
定価 本体14,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序  ……  氣賀澤保規

Ⅰ 制度・行政文書
 伊藤敏雄  樓蘭出土漢文文字資料中の簿籍と公文書について
     ――殘紙の簿籍と公文書を中心に―― 
 町田隆吉  河西出土五胡時代「板」(官吏辭令書)小攷
 關尾史郎  「貲簿」の周邊
     ――北涼時代の簿籍と税制――
 王  素  高昌王令形式總論
(河内 桂譯)
 荒川正晴  通行證としての公驗と牒式文書
 土肥義和  唐代における均田法施行の史料雜抄
 劉 安志  唐代解文初探
     ――敦煌吐魯番文書を中心に――
(速水 大譯)

Ⅱ 地域と社会
 妹尾達彦  唐長安の都市核と進奏院
     ――進奏院状(P3547・S1156)をてがかりに――
 古瀬奈津子 書儀・往來物を通じてみた日唐親族の比較
 石田勇作  9~10世紀敦煌地域社會と組織の一斷面
     ――P3249v文書を手掛かりに――
 赤木崇敏  曹氏歸義軍節度使系譜攷
     ――2つの家系から見た10~11世紀の敦煌史――
 吉田 豊  コータンのユダヤ・ソグド商人?
 松井 太  トゥルファン=ウイグル人社會の連保組織

Ⅲ 文化と思想
 朱 玉麒  トルファン文書にみえる漢文文學史料
(西村陽子譯)
 張 娜麗  玄奘の譯場と玄應の行實
     ――敦煌・吐魯番文獻と日本古寫經の伝えるもの――
 伊藤美重子 敦煌寫本「醜女縁起」の依據する經典の再檢討
     ――『賢愚經』と『雜寶藏經』の醜女説話をめぐって――
 岩本篤志  敦煌文獻と傳存文獻の間
     ――唐代の醫藥書『新修本草』と『千金方』を中心として――
 丸山裕美子 磯部武男氏所藏「朋友書儀」斷簡について(再論)
     ――「敦煌秘笈」及び中村不折舊藏吐魯番寫本「朋友書儀」との關係をめぐって――
 余  欣  中古時期における瑞應圖書の源流
     ――敦煌文獻と日本寫本の總合考察――
(山口正晃譯)

史料紹介
 吉田章人  東洋文庫における IOM RAS 所藏非佛教漢語文書の整理と考察

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内容説明

【序 論集の発刋に寄せて より】(抜粋)

東洋文庫の内陸アジア研究班(内陸アジア出土古文獻研究會)は2009年3月、多くの方々の協力を得て『敦煌・吐魯番出土漢文文書の新研究』(土肥義和編)を刋行し、廣く内外の評價を得ることができた。その實績と自信をもって、次の5年という研究期間が終了となる2015年を目途に、また研究成果としての論文集を刋行したい、そう話し合いがなされたのは、忘れもしない東日本大震災に見舞われた翌日、2011年3月12日であった。

・・・さて、提出いただいた原稿は全部で21本に上った。そのうちの1本は「史料紹介」として、私どもの研究班が進めてきた「サンクトペテルブルグ東洋學研究所所藏内陸アジア出土漢語文獻マイクロフィルム目録のデータベース化」計畫にもとづく漢語文獻の整理作業のうちの、ほぼ整理が完了した非佛教漢語文書の全容を報告するものである。執筆は整理の中心を擔ってきた吉田章人氏(新潟大學)にお願いした。 それ以外の20本は、一々内容を紹介する餘裕はないが、表題から見ていずれも興味深く、力作が揃っている。そこで前論集に倣って、それらを大きく「I制度・行政文書」、「II地域と社会」、「III文化と思想」の3部に分類し、各部のなかでは年代順、時代順を意識して配列した。この分類の仕方にはやや異論もあるだろうが、各論文の大きな位置づけのためとご了解願いたい。

・・・本論集で扱うのは、上は五胡・高昌國期から下はモンゴル期の吐魯番まで、地域的には西はコータンから日本にまでおよび、中心は唐代となる。このことは、本論集の人選が全體にバランスがとれ、多様な角度から時代や地域を考察しようとする姿勢の表れと評價されるかもしれないが、しかしこうしたなかで課題も見えてくる。何よりも佛教(史)の面からの考察の少なさである。本論集では、張娜麗氏(筑波大學)が佛教文獻を取り上げられただけで、敦煌・吐魯番文書で中心を占める佛教の問題は中心的テーマになっていない。これが當該分野の現状の反映でもあるが、今後は少しでもこの現状を變えていく取り組みが求められることになる。

・・・私ども内陸アジア研究班(内陸アジア出土古文獻研究會)では、今後も敦煌や吐魯番など中國西北地域から発見された漢語文獻を主體に、さらに現地に殘る石窟文化や墳墓などに關わる文物、石刻資料などを取り込んで、特色ある歴史研究を着實に進め、當該分野研究の中心としての役割を果たしていきたいと願っている。その上で、次の論集や別の新たな成果も世に問いたいと考えている。大方の積極的な關與と支援をお願い申し上げる。(氣賀澤保規)

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