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幕末漢詩人杉浦誠『梅潭詩鈔』の研究

幕末漢詩人杉浦誠『梅潭詩鈔』の研究

◎幕末・明治維新を生きた漢詩人は何を思い日本の形成に携わったのか、漢詩の中から彼らの心情を読みとる

著者 市川桃子 編著
ジャンル 日本古典(文学) > 近世文学
日本古典(文学) > 近世文学 > 漢詩文集
出版年月日 2015/02/27
ISBN 9784762936173
判型・ページ数 A5・642ページ
定価 本体13,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

【主要目次】
序・凡例・伝(杉浦梅潭先生伝:依田学海著)
第一章 作品篇
 『晩翠書屋詩稿』安政五年(一八五八)―明治七年(一八七四)
 『梅潭詩鈔』上巻 慶応元年(一八六五)―明治二十三年(一八九〇)
 『梅潭詩鈔』下巻 明治二十四年(一八九一)―明治三十三年(一九〇〇)
第二章 論考篇
 幕臣の明治維新 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 市川桃子
 遺臣のゆれる心――杉浦梅潭における主君の交代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 遠藤星希
 箱館道中(一)――箱館奉行赴任への旅 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 市川桃子
 箱館道中(二)――開拓使権判官赴任への旅 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 市川桃子
 箱館奉行時代の杉浦梅潭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 三上英司
 梅潭の交流関係――依田学海・松浦詮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山崎 藍
跋・誌題一覧・執筆者一覧・主要人名索引
附録DVD収録内容一覧:『梅潭詩鈔』(PDF)・『晩翠書屋詩稿』抄訳(PDF)・『梅潭詩鈔』全訳(PDF)・参考資料

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内容説明

【序】より(抜粋)

杉浦誠(一八三四―一九〇〇)は、字を求之、号を梅潭といい、江戸幕府の幕臣として、鉄砲玉薬奉行、開成所頭取、目付、箱館奉行を歴任、明治政府の役人として、開拓使権判官、開拓使判官となった。本書が扱うのは漢詩集で、『晩翠書屋詩稿』は、五冊の手写本で、作品数は二千三百首余りあり、干支と年号によって年代ごとに整理されている。朱の批点や評語が書き込まれ、評語には大沼枕山、小野湖山、依田学海、成島柳北など多数の名前が見られる。『梅潭詩鈔』は、明治三十五年(一九〇二)に刊行されたもので、上・下巻の二冊本である。岡崎壮太郎(春石)と田辺新之助(松坡)によって編集され、『晩翠書屋詩稿』の中から六百一首の作品が選ばれている。『梅潭詩鈔』には依田学海による「杉浦梅潭先生傳」(明治三十四年九月)が載っている。本書にその原文、訓読、訳を収める。本書には、『晩翠書屋詩稿』から、江戸時代及び明治初期に書かれた作品を選んで収録した。『梅潭詩鈔』から、主に時事や交友関係、また旧幕臣としての感慨に関わる作品を選んで収録した。

杉浦誠は明治期の漢詩人として知られており、諸橋轍次『大漢和辞典』にも杉浦梅潭の名が載っている。

また一方で、江戸幕府の旗本であり、さらに明治政府の官僚として活躍した有能な役人でもあった。江戸幕府に忠誠を誓い、武士としての価値観に生きていた杉浦誠は、明治維新をどのように迎え、乗り越えたのだろうか。幕末に京都で新撰組(浪士組)を監督し、函館でロシアとの交渉に当たり、日本を守るべく力を尽くしていたとき、何を考えていたのか。箱館奉行として大政奉還を知ったとき、何を感じたのか。社会の価値観が大きく転換したときに、幕臣たちはほとんど声を発していない。それは、将軍より高位に立つ明治天皇の世に、幕府の遺臣として無念を語ることが許されなかったからである。ただ、漢詩のなかには、時にその心情が漏れあふれてくる。彼らはやがて、その葛藤を克服し、新しい日本を形成するべく明治政府の官僚となる。そのような幕臣たちは、杉浦誠のみならず、彼の周囲に多くいた。何が彼らをそうさせたのか。その時の彼らの心情はどうだったのか。何を感じて晩年を送ったのか。当時文化人の間で盛んに作られ、高い水準を持っていた漢詩の中に、それを垣間見ることができる。本書が幕末と明治維新に生きた人々の世界を知りたいと思う多くの人々に役立つことを願っている。

◆本書は「作品篇」と「論考篇」からなる。作品篇は、手稿本『晩翠書屋詩稿』から四十二首、『梅潭詩鈔』から百八十一首を採録、各詩に訓読と【訳】・【語釈】、必要に応じ【補説】を附した。論考篇は、杉浦梅潭に関する六本の論考を収める。附録のDVDには、『梅潭詩鈔』の画像及び全ての作品の訳注をPDFにして収録する。

 

 

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