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汲古叢書121 春秋時代の軍事と外交

汲古叢書121 春秋時代の軍事と外交

◎軍事と外交の視座から、秦漢帝国へと向かう魯国と諸侯国外交の実態を解明する

著者 小林 伸二
ジャンル 東洋史(アジア)
東洋史(アジア) > 殷周秦漢
シリーズ 汲古叢書
出版年月日 2015/02/20
ISBN 9784762960208
判型・ページ数 A5・632ページ
定価 14,300円(本体13,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

【主要目次】
序 論 問題の所在   春秋時代史研究の動向/本書の視座と構成
第一部 春秋時代の軍事と支配構造
 第一章 軍事と支配構造  『春秋』の軍事行動/軍事行動の特徴/軍事行動と国邑・鄙邑
第二章 滅国・遷徙政策  『春秋』『左伝』の滅国/滅国後の国君・支配層/滅国後の居民/『春秋』『左
伝』の遷徙/遷徙の実態/遷徙後の国邑・鄙邑
 第三章 占領政策  『春秋』『左伝』の国邑占領/国邑占領の実態/国邑占領と附庸小国/『春秋』『左伝』
の鄙邑占領/鄙邑占領の実態/鄙邑占領と鄙邑
 第四章 攻囲政策  『春秋』『左伝』の攻囲/攻囲の実態/攻囲と国邑・鄙邑
 第五章 対峙政策  対峙戦の実態/『春秋』の対峙戦/『左伝』の対峙戦
 第六章 黄国の滅国  黄君孟夫婦墓/黄国青銅器/『春秋』『左伝』の黄国/滅国後の黄国
 第七章 紀国の遷徙  紀国と魯国/紀国と周王室/紀国と斉国/遷徙政策と紀国
第二部 春秋時代の外交と国際社会
 第一章 会盟と外交  『春秋』の会盟傾向/会盟の特徴/会盟と覇者政治
 第二章 斉覇・晋覇の会盟地  会盟地としての鄙邑/斉覇期の会盟地/斉覇期の地主国/晋覇期の会盟地/
晋覇期の地主国/斉覇・晋覇の会盟/斉覇・晋覇の国際社会
    附論 楚覇の会盟地   楚覇期の会盟地/楚覇と国際社会
 第三章 朝聘外交  『春秋』の朝聘/朝聘と外交/「如」と外交/「来」と外交/斉覇・晋覇と魯国
 第四章 弔問外交  『春秋』の卒葬/卒葬と外交/卒葬の意義
 第五章 婚姻と国際社会  『春秋』の婚姻/婚姻と外交/「媵」の意義
第六章 国君即位と国際社会  『春秋』の魯国君即位/『春秋』の他国君即位/『左伝』の国君即位
 第七章 衛国の外交と政治  衛国と斉国/衛国と晋国・楚国
 第八章 杞国の外交と政治  杞国と莒国/杞国と魯国・斉国/杞国と晋国・斉国/杞国と晋国/杞国と国
際社会
 結 論  課題と展望   あとがき・索 引

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内容説明

【序論】より(抜粋)

春秋時代史研究は、従来から中国古代史にあって、完成期とされる秦漢帝国史の過程として位置づけられてきた。氏族制社会から都市国家を経て領土国家へ至る経緯、あるいは伝統的邑制国家の体制が崩れ、領土的国家形成と官僚制による郡県支配の初歩的段階と理解する方向が見られる。こうした秦漢帝国前史として当該時代を考察する視座は、当該研究史に内在された重要かつ不可欠な部分である。・・・

本書は春秋時代の軍事と外交という視座から、諸侯国間の動向について、当該期社会の基層をなす国邑―鄙邑の支配構造と軍事行為、さらに、そうした基盤のもと覇者によってなされた国際政治と魯国をめぐる諸侯国外交の解明を試みたものである。・・・中国古代史研究での前後史―西周史・戦国史を見通す当該期についての一側面と、秦漢帝国成立史の根本問題である郡県制のいわば土壌の理解、諸侯国の権力確立に向けた軍事と外交にもとづく国際社会をめぐる視点を提供するものである。

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