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帰納と演繹とのはざまに揺れ動く 字音仮名遣いを論ず

―字音仮名遣い入門―

帰納と演繹とのはざまに揺れ動く 字音仮名遣いを論ず

「字音仮名遣い」に潜む欠陥とは――日本漢字音研究の権威がそのあるべき方向性を探る

著者 沼本 克明
ジャンル 国語学(言語学)
国語学(言語学) > 総記・論集
国語学(言語学) > 語彙音韻
出版年月日 2014/04/25
ISBN 9784762936142
判型・ページ数 4-6・324ページ
定価 3,300円(本体3,000円+税)
在庫 在庫あり
 

目次

はしがき―本書の意図―
導入論 和語の歴史的仮名遣いと字音の歴史的仮名遣い
一、歴史的仮名遣い  二、字音仮名遣い  三、字音仮名遣いと韻鏡  四、字音仮名遣いの問題点
第一章 中国漢字音と日本漢字音
第一節 日本漢字音の諸層と特徴        第二節 中国漢字音と日本漢字音の対応関係
第二章 宣長大人の『字音仮字用格』
第一節 本居宣長の『字音仮字用格』      第二節 『字音仮字用格』の原理
第三節 「字音仮名遣い」への批判と改訂の方向
第四節 「字音仮名遣い」の残された問題点
第三章 呉音と字音仮名遣い
第一節 呉音の分布とその意味  第二節 呉音の祖系音
第三節 呉音の非体系性―演繹法は適用可能か
第四章 漢音と字音仮名遣い
第一節 漢音の祖系音を探る          第二節 漢音の体系と字音仮名遣いの決定法
第五章 字音仮名遣いの周辺
第一節 撥音韻尾の歴史と字音仮名遣い     第二節 「月」字の仮名表記史と字音仮名遣い
結 語    
本文注/主要参考文献/要語索引/あとがき

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内容説明

【はしがき―本書の意図―】より(抜粋)

歴史的仮名遣いとしての「字音仮名遣い」は帰納法と演繹法とのはざまで揺れ動いている。揺れ動いているために今日の古語辞典や漢和辞典を紐解いて比べると諸説紛々の感を抱く。一字一字の漢字の字音が全て古書の実例として見出されれば問題は何も無い。つまり帰納法で決定できれば問題は無い。

しかし数万字存する漢字のごく一部分しか実証的に字音形を示すことはできない。しからば如何なる方法が残るか。字音仮名遣いの発議者であった本居宣長を初めとする江戸時代の国学者達はその当時流行していた『韻鏡』に基づく演繹法によって実例の欠落部分を補ったのである。……本書名は字音仮名遣いを以上の様な視点から問題にしたところに付けられた書名であり、日本人の共通問題としてこの問題の核心的な部分が揺れにあるという事実を字音研究の立場で入門書として説明してみようとする謂いを含ませているものである。

※本書は入門書を企図したが、紙幅の都合上専門用語については簡潔を旨とした。漢和辞典類の付録に掲載されている「声母表」や「韻目表」またその説明文との併読が、本書の理解を助ける。

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