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中国農村の信仰と生活

太湖流域社会史口述記録集

中国農村の信仰と生活

陸上と水上の世界から複眼的に近現代江南基層社会の実態に迫る口述記録集。

著者 佐藤仁史
太田 出
稲田 清一
呉 滔
ジャンル 東洋史(アジア) > 近現代
出版年月日 2008/12/10
ISBN 9784762928550
判型・ページ数 A5・410ページ
定価 4,400円(本体4,000円+税)
在庫 在庫あり
 

内容説明

【内容要旨】

本書は科研費研究課題「清末民国期、江南デルタ市鎮社会の構造的変

と地方文献に関する基礎的研究」(代表:太田出、基盤研究B、

2004 2006 年)の実施過程で試みられた口述調査の内容の一部を

──江蘇省呉江市を中心に──記録・整理したものである。この口述

記録を用いた研究成果の一部は、すでに太田出・佐藤仁史編『太湖流

域社会の歴史学的研究──地方文献と現地調査からのアプローチ』

(汲古書院、2007 年)として発表されたが、本書はその姉妹編として

口述記録の一部を出版・公開することで、実証の根拠を提示すると同

時に、調査の成果を研究者間で共有していこうとする目的を有してい

る。

上述の調査において着目したのは、調査地としている太湖流域社会で

他の土神を圧倒して信仰を集めている劉猛将軍信仰を中心とする民間

信仰の、民国期から現在にかけての変容である。その際、次の諸点に

重点を置いた。①文献史料・口述記録を問わず、情報が市鎮部に偏在

してきた状況に対して、村落における劉猛将軍信仰の実態と変容を重

視した点である。②江南社会の3層構造モデルを念頭に入れつつ、村

ベル、市鎮レベル、県・市域を超えるレベルのそれぞれにおいて廟

祝や仏娘などの宗教的職能者に接近した点である。③民間信仰や年中

行事・人生儀礼に関する民俗と密接な関係にある宣巻藝人という切り

口から村落社会にアプローチした点である。④「陸上の世界」に偏重

してきた従来の農村研究に対して、「水上の世界」すなわち内水面の

漁民に着目し、文字資料では殆ど知ることができなかった信仰組織の

実態を追跡した点である。

 

【内容目次】

口 絵

序 論 佐藤仁史・太田 出

第Ⅰ部 解題論文篇

 稲田清一「調査地における行政区画の変遷」

 佐藤仁史「近現代江南の村落構造の変容と民間信仰

     ――呉江市大長浜村を中心に――」

 太田 出「連家漁船から陸上定居へ

     ──太湖流域漁民と漁業村の成立──」

第Ⅱ部 調査報告篇

 張 舫瀾(宮田義矢訳)「劉猛将伝説と呉江荘家圩猛将会調査」 

第Ⅲ部 口述記録(佐藤仁史・太田 出・呉 滔)

 口述記録説明

 講述人分類

 口述記録

英文目次

 

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